野球観戦記
5月11日 北海道日本ハムファイターズ vs 千葉ロッテマリーンズ
札幌ドーム
18時01分開始 21時30分終了 観衆11,000人(そんなもんかな)
| team | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計
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| M | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3
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| Fs | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | X | 4
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勝利投手:押本7試合3勝1敗0S
敗戦投手:黒木4試合0勝3敗0S
セーブ :横山18試合1勝0敗6S
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HR:エチェバリア8号(ソロ=2回・黒木)
エチェバリア9号(ソロ=4回・黒木)
高橋信7号(ソロ=4回・黒木)
高橋信8号(ソロ=6回・高木)
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黒木の復活が見たい。
ただそれだけの為に選んだ三塁側内野席。もちろん、いつものレフトスタンドでは黒木が打たれても万歳なんか出来ないという気持ちもあったし、だからといってライトスタンドでファイターズを倒せなんて言えやしないのもあったのだが。
長年愛したマリーンズとは昨年ケジメをつけた。もちろん、今でも嫌いな訳じゃないが、今はもうファイターズが最優先であり、マリーンズ相手にファイターズがどれだけ打とうが気になる事は無い。しかし、黒木だけは違う。ファンを移行する間も、ずっと復活を目指し苦しんできた。故障以前の活躍から、故障中の苦しみまでずっと見てきたファンとしては、その復活を見届けなければスッキリしない。年齢も同じだし、思い入れは人一倍強い。
しかしこういう複雑な感情はその局面を迎えてみなければ分からない事が多い。昨年の東京ドームでのファイターズvsマリーンズだってお気に入りの俊介が投げていたにも関わらずそれほどマリーンズへ想いが行く事は無かった。だから今回もどうなるか、と密かな楽しみでもあった。ちなみに黒木の相手、押本も私のお気に入りの投手。それもあってか、更に複雑な感情が行ったり来たりする事になる。

ところで試合前、グラウンドになにやらテーブルと数人のボールボーイ(?)が用意される。何だろう、と思って見ると「ハッピーバースデー」の曲が。どうやら岩チャンの誕生日らしい。B・Bがケーキを持って岩ちゃんを探すも岩ちゃんは見当たらない。そこでB・Bは携帯を取り出し電話をかける。すると岩ちゃんが出て調整で札幌にはいないとの事。しかし、こんな演出も面白くて良い。
ただ、先に用意されていたテーブルが使われていない。何だろう…と思ってみると、新庄の150本塁打と金子の1,000試合出場のセレモニーに使われるものだった。しかし、なんでそれが三連戦2日目の火曜日なんだ? 土日や三連戦初日でもなくて。ま、お蔭様で良いところでそのセレモニーが見られたから良いんだけど。

さて試合の方は初回表。まず押本がマウンドへ。この時点で黒木のイメージはほとんど無く、気分的にはファイターズファンのまま。その押本が2社連続三振を奪うと「よしよし」という感情が。しかも何の疑いも無く。3番フランコが左中間二塁打を放ち、続く初球を4番ベニーが中越二塁打であっさり1点を獲った時も「あちゃ〜」とまず思う。その後すぐに「あ、でもこれは黒木にとって良い援護だ」と気が付いて「ならばこれで良かった」と考え直す。もうこの時点で感情が複雑化していく。

初回裏。遂に黒木登場。マウンドで右ポケットに忍ばせた奥さん手作りのお守りを握りしめ、精神集中(トップの写真)。この姿を見て、ようやく黒木が目の前にいる事を認識する。そしてこの瞬間、黒木への様々な想いが溢れてきた。松坂との初対決、2度目の札幌ドームといった目の前で見た事から、悪夢のプリアムのHR、日の丸を背負ったシドニー、故障後の苦しい日々…。この日は、この日だけはやはりファイターズよりも黒木に勝って貰いたい。そう思った。
その黒木は、先頭・同級生坪井を見逃し三振に斬って取ると、新庄を歩かせるものの小田を遊ゴロ併殺に打ち取り、無難な立ち上がり。

2回表。4番・セギノールがセンターへ大きな当たりを放つ。「行った〜っ!」と喜んだその瞬間、「いや、入るな」と念じる。すると打球はフェンス手前で失速し、センター井上のグラブへ。黒木を応援するんだと思っていても、習性でセギの打球に喜んでしまう。やはり複雑な気分は変わらない。しかし、そんな気持ちもつかの間、続く5番のエチェバリアが初球をレフトへ大飛球。しかし今度は念も通じず、高々と舞い上がった打球はレフトスタンドへ。レフトスタンドは当然大盛り上がりで万歳三唱。しかし、やはり万歳は出来る気分じゃない。まだ同点、出来る事ならこのままずっと行って欲しい。それが一番の願いだった。
黒木はこの後5番の木元に8球粘られ四球を出すも高橋信、阿久根を打ち取りこの回を終える。

一方の押本はというと、7回を除けば毎回1安打は打たれるものの、逆に4回を除けば毎回奪三振の力投で7回7安打2四球1死球1暴投で130球を投げきり、1失点に守りきる。今回は黒木の相手として、十分過ぎるほどの好投で試合を作ってくれた。本来ならもっともっと応援してあげなければいけなかったのに、そうは出来なかった。でも、押本は私の期待以上の好投で応えてくれた。黒木に援護をさせないほどの好投で。悔しい反面、嬉しい投球だった。

4回表。打席にはこの回先頭の5番・エチェバリア。その4球目。打球は先ほどよりも鋭くセンターへ。願いも空しく、無情にも打球はスタンドを跳ねた。2点目。押本の力投とマリーンズ打線の調子を考えればあまりにも重い2点目。しかし、しかしまだ1点差。望みはまだある。…と思ったその矢先。7番の高橋信二が先ほどのエンジェルと同じようにセンターへ。今度はバックスクリーン。あまりにも痛過ぎる3点目だった。もちろん、黒木も悔しさを隠さない。
この後もファイターズ打線は粘りに粘って黒木を攻め立てる。先のエンジェルが4球、木元が5球で遊飛、信二が6球、阿久根は6球で二ゴロ、金子は9球目を左前安打、坪井が9球目を選んで四球で二死一、二塁。この回ここまででなんと38球。3回までが51球だった事を考えれば、いや考えなくても多過ぎる数字だ。ここから、急激に黒木に球のキレが無くなってきた事が伺える。ここでマリーンズベンチもマウンドへ。一度間を取りに行く。
そして迎えるは2番・新庄。こういう局面を迎えるために2番にいるといっても過言ではない。その初球、ボール。2球目、ボール。3球目、ボール。あっという間の0−3。続く球はストライク、そしてファウル2球。ここでも既に6球と粘られる。そして7球目、新庄フルスイング。しかし打球は三塁へ転がり、フランコがしっかりと捌き二者残塁。計45球、黒木、ここで力尽きる。
残念ながら黒木「復活」を見る事は出来なかった。今回も「復帰」の一部。しかし、苦しんできた黒木のその姿を見る事が出来ただけでも私は満足だった。そして、一つの区切りは付いた気はする。別に嫌いになる訳じゃない。これからは「好敵手」として、対戦する時は迎えようと思う。そのためにも、早期復活を切望する。頑張れ、黒木。

さて、試合に戻れば6回裏。投手は5回から高木。一死後7番の高橋信二が右へ大きな当たり。打球は当然の如くスタンドへ消えた。黒木がリードされて降りたからには、私だってもう大騒ぎ(笑)。黒木を見終えてスパッと切り替わった私は打った瞬間からガッツポーズ(爆)。4本もHRが出て全てソロってのも効率の悪い話だが、貴重な追加点を叩き出した信二は大したもの。結局この回は金子が二死から二塁打を放つものの後が続かず1点止まり。しかしファイターズにとっては良い流れだ。
8回表。この回から投手は芝草。最近代わってすぐの先頭打者にHRを打たれる傾向があったが、今回は5番の初芝を遊ゴロに打ち取り、橋本も右飛とたった3球であっという間の2アウト。続くサブローもあっさり三ゴロでこの回終了…と思いきや前の回から代わっていた奈良原が一塁へ悪送球。サブローを生かしてしまう。実はこのエラーには複線があった。前の回、ベニーが放った三ゴロを奈良原がお手玉しながら打球を処理。ベニーの足のおかげでなんとかアウトになったものの、ボールが手についていなかった。流石にもう大丈夫だと思っていたが、まだまだだったらしい。しかし、上手の手から水がこぼれる姿を二度も見るとは思わなかった。
そうなると流れはマリーンズへ。8番・浜名の当たりは高いバウンドのゴロ。二塁阿久根が必死のフィールディングもわずかに間に合わず内野安打。ファイターズベンチ、たまらず小坂に対して清水を送る。しかしここで一気に押したいマリーンズ、代打は堀。打球はまたまた三塁奈良原の前へ。しかし流石に奈良原、今度は確実に処理して3アウト。ピンチを脱する。

9回表。投手は満を持して横山へ。捕手も一緒に実松に交代で万全の体勢。最近の調子から一気に終わりだ、と思ったのだが、そうは簡単にいかないのが野球の世界。横山、全然ストライクが入らず先頭、一番の井上を四球で歩かす。続く福浦が中前安打で続き、フランコの2球目に捕逸があるもそんなもの関係無いとばかりの四球であっという間の無死満塁。ここでベンチは慌ててマウンドへ。まぁ、犠飛の連続で2点やっても1点差だ、と思っていたがそう上手くもいってくれない。
まず4番のベニーが初球を中前安打で1点。新庄の肩を警戒して安全策のマリーンズ、ランナーを溜める。すると続く初芝も同じく初球を中前へ。更に1点追加で1点差となり、しかもまだ無死満塁。もうダメだ、と思うが後ろには誰もいない。建山も伊藤も、立石さえもいない。託せるのは横山しかいないのだ。頼むよ横山、黒木の勝ちを奪ったんだから、せめて押本の勝利くらい守ってくれ。
しかし、次の6番橋本が助けてくれる。初球を遊ゴロで本塁封殺、一死満塁となる。押せ押せは解るが、簡単に打ってくれたのはありがたい。これで少し落ち着いた横山、7番のサブローに対しポンポンとストライクを二つ続ける。ボールを一つ挟んだ後、打球は痛烈に三塁へ! その先にはこの試合ボールに手の付いていなかった奈良原が!!(笑) さぁ、どうなってしまうのかっ!!!(爆)
実際、捕るには結構難しい打球だったが、奈良原のグラブにはしっかり打球が収まっていた。「おっ、入った」と言うような顔をしながら、奈良原は即座にセカンドへ。そして阿久根は即座にファーストへ転送。しかしサブローの足も速い。セーフなら同点の際どいタイミング。さぁ、どうか!
「やられたっ!」

そう思って私は頭を下げた。実際、タイミングはセーフと言われてもおかしくなかった。しかし顔を上げて見ると周囲が騒いでいる。レフトスタンドは大盛り上がりで、ファイターズの選手もベンチから出てきている。そう、判定はアウト。辛くも試合終了していたのだ。黒木劇場に始まったこの試合は、横山劇場で幕を閉じた。いや、別にそんな閉じ方はして欲しくなかったのだが…
ヒーローインタビューは当然押本。新人王へ向けて、力強いコメントを残してくれた。黒木を破ったからには、是非とも新人王を獲って欲しい。
こうして、私の黒木決別試合(大げさな(笑))は終わった。黒木の調子はまだまだで、特に抜ける球が目立ち、制球も今ひとつという印象だった。もちろん、球速は全盛時と比べるまでも無いが、それを抜きにしても「復活」とはまだ呼べないな、とは感じた。これからもマリーンズを、パ・リーグを、球界を支えていくべき投手。是非とも完全復活を期待したい。そして、ガッツとの名勝負を繰り広げて欲しい。
待ってるぞ、黒木。
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