野球観戦記


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3月6日 読売ジャイアンツ VS 日本ハムファイターズ オープン戦  札幌ドーム

              13時03分開始 16時09分終了  観衆28,000人(そんなもんかな)

team123456789
日ハム3001001106
巨人0200001103
勝利投手:ミラバル2勝0敗0S
セーブ:伊達0勝0敗2S
敗戦投手:桑田1勝1敗0S
HR:高橋由3号(ソロ=2回・ミラバル)
   田中幸2号(ソロ=4回・桑田)

 遂にファイターズが来る!

 移転を直前に控え、大事なシーズンがやってきた。この試合は来年から地元となる球団として初のオープン戦、という非常に大事な試合でもある。何事も最初が肝心だから。ま、これからいくつもの"最初"がやってくるんだけど(笑)。しかも相手は北海道地区ではかなりシェアの高い巨人。道民が地元球団を取るか、いままで応援してきた球団を取るか、非常に興味深い状況でもある。

 さて、試合は平日のデーゲームという極めて不利な環境下ではあるのだが、大学生なら春休みだし、昨年の巨人戦は3万8千も動員しているという事から、かなりの期待をこめて球場へ足を運んでみたものの、意外と人が少ない感じ。気のせいかな、と思いつつスタンドへ足を運ぶと…結構少ないのね。なんでも札幌駅のJRタワーがオープンという事で人がそちらへ流れたとの事なのだが、正直それだけじゃないような気がする。だってそんなところへいく人は元々巨人戦なんか興味が無い層だって多いだろうし、逆に巨人戦に来る人はタワーのオープンなんてそれほど気にしてはいないと思う。それに行く気になれば巨人戦に行く前や行った後でも足を運ぶ事は出来るからである。少なくとも、どっちに行こうか迷う対象ではないと思う。JRタワーはこれから嫌でも札幌駅にあるのに対し、巨人はこの日と土日の横浜戦を過ぎればまた6月まで見られなくなるのだから。もちろん中には両方行くツアーに乗っかって行く人もいるだろうが、そんなのはほんの一握り。と、いう事は、求心力の低下は巨人にあるのか、それとも…。

 まぁ、答えは残念ながらハッキリしていそうだ。なにせレフトスタンドの観客は少なかった。しかもファイターズ側(しかも自由席)だというのに、巨人を堂々と応援しているし。ま、どこでどの球団を応援しようと勝手だと言えばそれまでなんだけど、それなりのノリや決まり事ってあるじゃん。ライトスタンドに行けば気兼ねなく大声で応援出来るんだし、ライトスタンドだってビッシリじゃ無かったんだからそっちに行けばいいのに。結局、ちゃんとファイターズを応援していたのは50人くらいかな。応援団の人が必死になって呼びかけていたのが印象的だった。

 「せっかくレフトスタンドに来たんだから、巨人じゃなくファイターズを応援しましょうよ」って。ホントその通り。

 ところで、応援団の人も言っていたけど、なんで地元・札幌のオープン戦なのに巨人主催なの? なんでファイターズファンがレフトスタンドに来なきゃいけないの? 非常に疑問。ま、何となく解らんでも無いんだけど。でもわからん。

 試合はミラバル・桑田の両先発で始まった。二人とも今季のキーマンとなるべき投手だ。オープン戦でありながら豪華な顔ぶれになったもんだ、とちょっと感動。特に桑田はケガから復帰後は初観戦だし、期待もしてなかったから余計そう思ってしまう。

 初回、先頭の森本がいきなり中前へ良い当たり。うーん、森本は良い。今季は買いかもしれない。でも、立ち上がりいきなり打たれるなんて、と桑田の調子をまず疑ってしまった。続く金子の打席の時、まず一つ普通の牽制を挟む。再びセットに入り、さっきよりもちょっと早い牽制。さぁ、次こそ投げると思ったら、セットに入りかけのタイミングでもう一つ牽制。森本もそれほど大きなリードを取っていなかったため、大したタイミングになった訳でもないのだが、3つ連続の牽制はちょっと面白かった。桑田ってのはいろいろやるんだなぁ、と。で、そこで終わらないのが桑田の桑田たる所以。金子にも左前に痛烈に運ばれて1、3塁のピンチに(笑)。

 まぁ、悪かったのはここまで。続く小笠原には厳しく攻め、平凡なセカンドゴロ…のはずが、"名手"と世間でもてはやされているはずの仁志の手からボールがこぼれてまず1失点。しかし続く4番のエチェバリアにはバットを思うように振らせず見逃し三振。クローマーには右前に弾かれてしまい2点目を奪われるものの、田中幸雄からタイミングを取らせず空振り三振を取り二死。7番の坪井も平凡な一ゴロに切って取ってさぁ、終了…と思いきや、今度は一塁の後藤が後ろに逸らす。結局、エラーで足を引っ張られ初回桑田は3失点。でも、内容的には悪くなかった。

 ところで、ちょっとがっかりな事が。3点を取った後のファイターズ応援団なのだが、非常に喜んでいたのはよくわかるとしても、功労者のコールでいくらなんでも「良いぞ、良いぞ、小笠原」は無いだろう。小笠原が打ったのはただの二ゴロであって、決して小笠原がタイムリーを放った訳じゃない。ちょっと譲って明らかにエラーに見える打球でもヒットだったら良しとしよう。しかし、凡ゴロを弾いてエラーとなったのだから、それを"良いぞ"なんて言ったら小笠原に失礼だ。応援団のレベルを疑われる、非常に程度の低い喜び方だ。もうちょっと考えて欲しい。

 一方、ミラバルの方はというと、先頭清水を三振に切り、あっという間の三者凡退。桑田の最高速138km/hに対し、ミラバルは常に145〜6km/hを出し、押していく。

 2回、桑田が快調に飛ばす。9番の田中賢介を2−3から左邪飛に切って取った後、先ほど打たれた森本から子供扱いでもするかのように空振り三振を取る。2番の金子も手が出ず見逃し三振、しかもバットの出はやや遅れ気味。先にも書いたように桑田の最高速は138、ほとんどが135km/h前後。でも、120km/h台の球(おそらくスライダーやチェンジアップ)を多投して相手にタイミングを与えない。正直、見ていて不思議になるほど桑田のピッチングは冴えていたのだ。

 一方ミラバルは2回先頭の由伸から空振り三振を奪い絶好調…と思ったら、一度引っ込んだはずの由伸が再び打席へ。なんでも実はファウルだったらしいが、一度ベンチに引っ込んだ後に審判四人が集まって協議、しかも説明もなく再開ってのはちょっとおかしいよなぁ。いつも思うのだが、こういった場合はキッチリとファンに説明をしてもらいたいもんだ。結局、由伸はその後3球粘りレフトスタンドへ放り込んでしまった。過程はともかく、この一打は凄い。まさか届くとは思わなかったが、失速せずに飛んできた。左打者で左方向へこんな打球を打てる選手はそうはいない。今年の由伸はやるかもしれないなぁ。

 …ただね、この当たりでレフトスタンドが盛り上がったのだけはどうも、ね。いや、わかっちゃいるんだけどさ…

 3回表、私の最も楽しみな対決、桑田vs小笠原の第2ラウンドが訪れた。今回は小笠原が初球を三遊間へ。抜けたっ!と思ったら二岡がダイビングキャッチ。投げも投げたり、打ちも打ったり、取りも取ったり。これは良かった。その後の桑田はエチェバリア、クローマーに何もさせず連続三振。ホント、見てて不思議な気分。

 ミラバルも負けてはいない。3回、4回と1安打ずつ許すも2三振ずつ奪い、巨人打線を捻っていく。

 4回、先頭の田中幸雄が桑田の2球目をレフトスタンドへ叩きこむ。先ほどの由伸の当たりと瓜二つ。…と書くとどちらが良いのかわからないけど(笑)、これまた良い当たりだった。続く坪井も見事に左前に弾き返し、桑田危うし、と思わせたが、その後の桑田劇場がまた凄かった。牽制を一つ入れた後、ただいま売り出し中の高橋信二に初球を打たせ遊ゴロ。併殺かと思ったのだが、残念ながら高橋の足が一歩早く崩れてしまう。が、桑田の真骨頂はここからだった。続く田中賢介にも初球を打たせ投ゴロ、今度は完璧に1−6−3の併殺を決める。バックがダメなら自分が捌く。その身のこなし、その球捌き、ため息が出てしまう。結局、終わってみればこの回はたった8球、桑田イリュージョン全開のイニングだった。もちろん5回も危なげなく、最後は一ゴロのトスを受け取り、自らベースを踏んで終えるという念の入れよう(?)だった。

 で、またまた負けていないのがミラバル。5回、後藤に粘られた挙句ヒットを打たれたものの、続く仁志を併殺に決め、桑田との熱闘に終止符を打った。結局桑田は5回73球5安打1HR6奪三振自責点2。ミラバルは5回70球5安打1HR6奪三振自責点1。柔の桑田、剛のミラバルと内容の全然違う二人だったが、残った結果はよく似ていて、点差以上に非常に面白い投手戦だったと思う。

 6回は共に投手が代わり、ファイターズは高橋憲幸が、巨人の方は前田がなんと三者三振を奪い危なげなく終えた。

 7回、ファイターズは二死後9番田中賢介、1番森本、2番金子と三連打で1点を奪う。この3人で1点を取るってのは結構大きい。うん、なんか明るい未来が見えてきたぞ。

 巨人も7回、表の守備から代わった原俊介がこの回から代わった芝草からレフト線に二塁打を放ち、それを9番鈴木尚広が返し再び3点差に戻す。残念ながら鈴木の盗塁は決まらなかったけど。

 と、ここで原の交代の仕方にある特徴がある事に気がついた。普通、選手をたくさん使おうとする試合で野手を交代させる場合、代える選手の打席が終わったところでお役御免となる。つまり、その後に出てきた選手に打席が回るのはずっと後になる。でも、これが普通だ。実際、日米野球でも今回のファイターズでもウチの部のOB戦でも(笑)そうだ。

 しかし原の場合、次の回に打席が回る選手を守備の時点で代えるのである。つまり、交代した後に出てきた選手は次の回いきなり打席が回るのである。これは何というチャンスの与え方だろう。後から出て来る選手、つまりチャンスの少ない控えや当落線上の選手にとってかなり嬉しい采配だと思う。どんな選手だって打ってアピールしたいのだから。

 原はやっぱりそういうのが解っててやっているのだろうか。うん、解ってるんだよな。控えの経験は凄い少ないはずなのに、なんでそんなに控えの気持ちがわかるんだろう。私は部活でも控えばかりだったから、その采配は凄く有難く思える。しかも代打じゃないから、すんなりと打席に入っていける。なにかちょっと原の選手操縦術を垣間見た気がした。凄いなぁ、原って。

 8回、6回からエチェバリアに代わって守備についていた上田がルーキー久保から左中間へ三塁打を放つ。それを同じく6回から田中幸雄に代わって守備についていた阿久根がキッチリ返し6点目。そして二死後、遂に最大の山場が。

 「代打・池田」

 巨人ファンばかりの札幌ドームも、この時ばかりは球場が揺れた。それもそのはず、地元北海道は鵡川高校出身、期待の長距離砲なのだから。まだ高卒1年目ルーキーの未完の大器だけど。どれほどの器かと思って見てみたが、とりあえず身体はデカイ。構えも大きい。雰囲気もある。見た感じでは結構期待出来そうだ。

 その池田は初球を豪快に空振り。身体がねじ切れんばかり(とは言っても小笠原ほどでは無いが)のスイング。高卒1年目の春でこれだけ振れれば文句無し。相手も同じルーキーの投手だけにちょっと期待。しかし、何も出来ず空振り三振。まぁ、しょうがないか。ちなみにその後守備についたのは、おなじく北海道は札幌出身、"出戻り"渡辺孝男だった。

 8回裏、巨人は清水の二塁打、斉藤の左前安打、元木の右前安打で1点を返しまたも3点差に詰め寄る。が、その後が続かない。ファイターズの細かい継投の前に点差を詰める事が出来ない。これは巨人打線が弱いのか、ヒルマン監督の継投が絶妙なのか、それとも継投しなければ持たないファイターズ投手陣が弱いのか。…どうも最後のような気がするのだが…

 9回表、巨人は河原を投入。1安打は打たれたものの、まぁ、危なげなく抑える。調整とはいえ、河原も見られたのはちょっとラッキーだったかも。

 9回裏、代打川中がこの試合初の死球で歩いた後、巨人も高卒ルーキーを代打に出す。そう、長田だ。長田は立石からなんと左前に綺麗に弾き返した。良いとは聞いていたが、こんなに綺麗に打つとは思わなかった。池田とは差をつけられた気分だ。まぁ、いずれ追いつき、追い抜いてやるさ。今は先に突っ走っていておくれ。ウサギのように。

 結局、伊達が後続を打ち取りゲームセット。好ゲームだったが、桑田とミラバルが降板した後はちょっと間延びして眠気が襲ってきたのはマイナス点かな。…って、自分の集中力の無さを試合のせいにするなって(笑)。まぁ、でも見どころも多かったし良い試合だったと思う。前半は特に最高だった。後は道民がファイターズの方にもっと目を向けてくれれば。

 応援団もレベルはちょっと低いとも思ったが頑張ってたね。声の出し方も面白かったし。例えば"ここまで飛ばせクローマー"のコールで

 「そんな声じゃ外野フライになっちゃうでしょ、もっと大きな声で!」

 とか、イチローコール張りの"ケンスケコール"では、

 「もっと大きな声で!」→「今のはとっても大きな声だったけど、心がこもって無いのでもう一回」

 なんて、聞いててちょっと噴出してしまうような煽り方が微笑ましかった。きっといつも周りを動かすのに必死なんだろうなって。おそらくこんな苦労しないパの応援団はマリーンズくらいのもんだよ。あ、バファローズも結構慣れた人達が多かったかも。でも、バファローズも歌詞カード配ったりしてたもんなぁ。マリーンズの応援はやっぱ素晴らしいね。周りの人を巻き込む力が凄い。"あそこに入ってみたい"と思わせる力がある。他の応援団も、真似しろとは言わないから、独自の応援で盛り上げて欲しい。あと、トランペットを吹くなら完璧に吹いてくれ。音を外されると非常に耳障りで困るから。昔のファイターズトランペット部隊と言ったら、そりゃあ上手かった記憶があるんだけどなぁ。気のせいかなぁ?

 まぁ、北海道のファンの中には私のようにマリーンズファンから転向する人もいるだろうし、そういった人達なんかと力を合わせて良い応援が出来れば、と思う。私がまだマリーンズを切れない理由の一つにその応援がある。あのファンの意識、それはみんな見習ってほしい。あまりに応援団のレベルが低いと、それが原因で入りこめない人も出てくるだろうから気をつけて欲しい。

 まぁ、なにはともあれ良い試合で良かった。オープン戦としては最高。さぁ、次は公式戦だ。





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