大人にとっても身近な文庫
〜橿原の文庫いろいろ〜
文庫の世話人がお互いの文庫を訪問しあい、訪問記を
書いています。いろいろな文庫のかたちや工夫があり、
とても参考になりました。
・いこい文庫
・かしの木文庫
・このは文庫
・正蓮寺文庫
・しらかし文庫
・杉の子文庫
・どんぐり文庫
・中曽司南町文庫
・ひまわり文庫
・ふじはら文庫
・みみなし文庫
ふじはら文庫
(訪問者 いこい文庫)
藤原京跡が目の前に広がる、のどかで静かな住宅地の一角にある自宅で、もう長いこと文庫を開いてこられました。はじめてお尋ねしたのに何故か懐かしい気持ちになりました。学校の先生をしながら文庫を続けておられることを知り、敬服しました。世話人の情熱と子どもさんたちへの深い愛情が、家庭的で心休まる場所にしていると感じることができました。控えめで静かなお母様に亡き母の面影を重ね、帰路につきました。有意義なひとときでした。
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いこい文庫ー本を通したコミュニティーの場ー
(訪問者 しらかし文庫)
大人の方対象の文庫です。月に一度は必ずご自分の好きな本を買われるそうです。奥の部屋では手芸教室が開かれていました。会員の希望から他の人の協力を得て8年前から文庫と同時刻に開かれているそうです。手芸をしてその帰りに本を借りていかれるのだそうです。
88歳のその方は「本も大好きでよく読みますが、暖かく迎え入れてくださる世話人や多くの人たちに出会えて、いろいろな話ができるのも楽しみの1つ。文庫を休むと何か損をした気持ちになります。」と言われました。
一人、一人との関係を大切にされる暖かい気持ちが伝わってきました。子どもにも大人にも近くにこんな場があり、こんな人がいることは、とても大切な事なんだなと思います。もう一度来たいなと思わせる文庫でした。
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どんぐり文庫
(訪問者 ひまわり文庫)
どんぐり文庫は、耳成小学校の北隣にある耳成地区公民館の中にあります。乳児、2歳ぐらいの子どもたちから、小学校4,5年生の子どもたちまでの利用が多いようです。おはなし会は、時間に関係なく、子どもたちがたくさん集まれば始まります。集まった子どもたちの顔ぶれを見て年齢に応じてのおはなしを即座にできるのは、長年子どもたちにおはなしを続けている方ならでは。「来週は怖いおはなしをしてね。」とリクエストして帰る子もいました。貸し出し当番は、子ども会のおかあさん方が、交代で担当。本棚や机の高さは子どもの身長に合わせてあり、宿題をして帰る子もいました。新一年生には、どんぐり文庫の紹介を全員に配るので、今まで知らなかった子どもたちも来てくれるそうです。
小さい子を連れたおかあさんが、つぎつぎとやって来られ、日本の絵本、読み物、外国の絵本、読み物など、コーナーに置かれた本の中から、子どもと一緒にゆったりと絵本を選んでいる光景は、とてもほほえましいものでした。
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かしの木文庫
(訪問者 ひまわり文庫)
菖蒲町第一自治会館横の公園の少しおくに入ったところにありますが、こじんまりと落ち着ける空間です。本を借りに来るだけでなく、自由に折り紙を折ったり、絵を描いたり、寝そべって本を読んだりする子どもがいて、家でくつろいでいるような雰囲気があります。かしの木文庫に来る小学生は、7月と12月にひまわり文庫と合同で行うおたのしみ会に出演してくれたこともあり、本を読む楽しみを知った子どもが育っていると思います。最近は、お孫さんといっしょに文庫に来られる方もあります。訪問した日はちょうど老人会の集まりがあったようで、窓越しに気軽に声をかけていただきました。新しい文庫の姿として、ご年配の方の協力を得て、本の楽しさをいっしょに深めて頂きたいと思いました。
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しらかし文庫
(訪問者 正蓮寺文庫)
今から20数年前に、Aコープの店頭で、ミカン箱に本を並べて貸し出したのから始まり、現在は白橿地区公民館の図書室で開いています。
文庫の部屋の戸を開けたとたん、すごい活気が伝わってきました。就学前の子どもたちとお母さん方で大にぎわいで、毎週恒例のおはなし会が始まる頃には、小学生たちもやってきて、ますますにぎやかになり、ここでは、「文庫に来てくれる子が少なくて・・・」という悩みは無縁のようでした。息のあった4人の世話人さんたちの人柄はもちろんのこと、公民館図書室用の本が毎年配布されるほか、自治会からも予算がおりるので、子どもたちのニーズに合った本が揃えやすく、人気のある本は複本も揃えていることや、古くなった本の買い替えがしやすいことなど、また図書室なので、部屋の四方に本棚が、フロアーにはどっしりしたテーブルといすが常設してあり、文庫というより図書館の分室という雰囲気があることも、にぎわいの要因のように思いました。古くなって買い換えることにした本は、利用者に無料で持ち帰ってもらっているとのこと。いろいろな利点がうまくかみ合って地域にしっかり根付いているしらかし文庫を見て、文庫の存在の必要性を改めて感じました。
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みみなし文庫
(訪問者 杉の子文庫)
みみなし文庫は3回の引越しを経て、現在はコープみみなし店の2階研修室で開かれています。橿原市の文庫第1号で2002年の5月に30歳のお誕生日を迎えました。部屋に入るとまず目に付くのが、「みみなし文庫会員の木」です。お友達の名前がみどりの葉っぱ一枚一枚に書かれて大きな木になっています。自分の名前がある「木」なんて、なんと素敵なんでしょう! 毎月第一土曜日のお話会のほかに、七夕やクリスマスのおはなし会もあり、訪問した日はちょうどクリスマス会の出し物の練習日でした。世話人さんたちが歌いながら、子どもたちに人形の動かし方や流れを教えていくと、子どもたちが柔軟な発想でそれに応えて、とても愛らしい劇が出来上がっていきました。今年は夏休みに耳成南学童クラブに「七夕おはなし会」の出し物を届けたことで、学童クラブとのつながりも生まれ、月に一回、おはなしを配達しに行くことになったり、また学童クラブのお友達も文庫に来てくれるようになったそうです。
「子どもたちに『心豊かな大人になってもらいたい』という思いを伝えたい」と、熱く語ってくださった世話人さんたちの思いが部屋中に満ち、暖かい陽だまりのような場所をつくっているのを感じました。
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杉の子文庫
ー大人も子どももほっとできる空間ー
(訪問者 みみなし文庫)
杉の子文庫は、1981年10月、家庭文庫でスタート。現在は、西池尻会館で、地域文庫として毎週水曜日、子どもたちに本の貸し出しを続けている。午後2時、文庫を開けると同時に何人かの子どもたちが飛び込んできた。学校から帰るなり文庫に走ってきたのであろう。文庫が子どもたちの楽しみの1つになっていると感じた。
世話人は現在3人、もう17〜8年関わっている田中さん、子育て真っ最中のかじ谷さんと土谷さん、素敵なトリオで子どもたちに文庫のおばちゃんとして親しまれている。
毎週20〜30人の子どもたち(小学生が中心)が利用している。この日も27人の子どもたちがやってきた。いつも、本を借りたあと宿題をしたり、折り紙、お絵かき、カルタ、将棋、オセロなどをして遊んで帰るそうである。文庫の本は約4000冊、内350冊は橿原市立図書館から借りている。貸し出し方法にはいろいろな工夫のあとがうかがえる。貸し出しカードを使いきった子どもには記念品を渡し、そのカードは読書記録として子どもは大切に持っているそうだ。
地域の子どもを見守る世話人たちの暖かい心情が、杉の子文庫の特徴のように思った。
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このは文庫
ー本の宅配便ー
(訪問者 かしの木文庫)
はじめは、地域の公民館(自治会館)で週一回文庫を開いておられましたが、ポツポツとしか来ない利用者を待っているよりも、こちらから本を配達しようと思い立たれました。現在は図書館で借りてきた本のリストを、会員登録している人に配り、注文に応じて家まで届けておられるそうです。
金橋学童クラブも利用者の一つ。ここを取材させて頂きました。外で遊び疲れたときなど部屋で本を読む子も多く、この日も興味のある本を囲んで、話がはずんでいました。本選びも、学童クラブの保護者の方と一緒に行かれるそうで、お母様方もはじめはどんな本を選んだら良いのかわからなかったようですが、子どもたちが好きな本が気になり、自分もいっしょに子どもの本を楽しむようになってこられたそうです。
今、子どもたちに人気の本は、
「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」
村上 八千代/文 せべ まさゆき/絵
ほるぷ出版
「おり紙ヒコーキ ワンダーランド」
戸田 拓夫/著
いかだ社
「からだのひみつ 学研まんが」学研など。
話を聞かせていただいて、これからの文庫のあり方を考え直すよい機会になりました。
(2006年6月現在、この宅配活動は休止しています)
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中曽司南町文庫
(訪問者 ひまわり文庫)
文庫は、すぐ横を近鉄電車が走っている集会所にあります。文庫を始めてから約20年、いつも顔を揃える四人の世話人の方々は、長年、携わってこられた方ばかりです。ポイントカードを渡して、5回来るといいものがもらえるそうです。
文庫に来ている子どもたちは、自然に文庫の中に溶け込んで、ゆったりとくつろいでいる感じ。
訪問したときに、ちょうど来ていた子どもたちが「アンパンマンとお結びマン」「はなびであそぼ」のかみしばいを読んでくれて、小さい子どもたちといっしょに楽しませてもらいました。また、文庫をPRしようと子どもたちがポスターを描いてくれて、それを見た人が文庫に来てくれたそうです。文庫が大人からの一方通行でなく、子どもたちといっしょに、みんなで楽しむ空間を作っているようで、気持ちいい時間を過ごさせてもらいました。
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正蓮寺文庫
(訪問者 ひまわり文庫)
夏休み最後の金曜日、世話役さん一家総出で企画運営のお楽しみ会におじゃましました。お寺の本堂で「おはなし」、娘さんとお友達の「かみしばい」のあと、手作りの輪投げやコイン投げ、中学生の息子さんはかき氷やポップコーンを手際よく作って参加者に渡します。ご主人はヨーヨーつり、スーパーボールすくいの道具作りから、そうめん流しの準備など・・。「近くに公園などが無いので、ここが子どもたちのたまり場になってくれればいいと思ってやっています。」とおっしゃっていましたが、ここはまさに昔懐かしい、小さな子も大きな子もいっしょに楽しむ優しい雰囲気が漂っていました。今回の参加者は20名でしたが、ふだんは月一回の簡単な工作やおはなし会を企画してチラシを地域の子どものいる家庭に配り、その日に子どもたちは本を借りていくそうです。お寺の本堂の広い広間で、ごろりと横になって本を読むのもいい気持ちだろうな・・・。地域に密着した家庭文庫の楽しさを、これからも子どもたちと紡いでいかれることでしょう。
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ひまわり文庫
(訪問者 正蓮寺文庫)
お邪魔した時は、幼稚園児とまだオムツの取れていないような小さな子が数名、お母さんと一緒に楽しそうに本を読んでいる所でした。
そして、選んだ本をカードに記入してもらい、今月から始めたという、ひまわり文庫会員カードにかわいいシールを貼ってもらっていました。このシールの貼った枚数によって、7月と12月にお楽しみプレゼントがあるそうです。
それから、これも今月から第一金曜日に行うことに決めた紙芝居の上演がありました。みんな楽しみにしていたようで、かぶりつきで見ていました。それが終わったころから小学生たちもやってきて、それぞれお気に入りの本を見つけていました。自治会館は公園に隣接しているので、本を選んだ後、外でひと遊びして帰る子もいるそうです。
一昔前のように大にぎわいということはないようですが、この日初めて本を借りに来た子も数人いて、この地域にとって大切な集いの場になっていると感じました。
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