■ 2009/01/05 仕事始めの日に“遊び”を考える

今日1月5日は月曜日。ということで、事務職のサラリーマンやOLさんは今日から仕事だ(っ`・ω・´)っ! という人が多いことでしょう。年末年始、世の中はしばしの休眠状態にありましたが(?)、今日からまた、活動再開となるのでしょう。

そんな、世の中全体が「休みから仕事へ」モードの中、私は敢えて「しっかり遊ぶことの大切さ」について考えてみることにします。今年の私もどうやら“へそ曲がりモード”でいきそうです(^m^)

昨年12月3日付けの産経新聞の切り抜きを引っ張り出してきました。そこにあるのは純粋な記事ではなく、産経新聞の営業局という部局が作成した読みもので、下段の広告枠以外のすべてを使って遊びの大切さを伝えています。

見出しは「遊びからいい仕事が生まれる!」。そこに登場するのは作家の夢枕獏ゆめまくらばくさんです。

それにしても、夢枕獏というお名前。遊び心たっぷりではありませんか。こんな名前に生まれついたなら、普通にサラリーマンなんてやっていられませんね。は? もちろんこれはペンネーム? そうでしょうとも。

夢枕さんは2008年現在、14本の連載を抱えるという超売れっ子作家さんです。文章を書くことを仕事にされるのは大変なことで、ただ字が書けるだけでは仕事になりません(´・ω・`) 文字の組み合わせで独自の文章にしなければなりません。現在抱えていらっしゃる仕事がすべて小説なのか、それともコラムも含まれているのか知りませんが、どちらにしても、文章につながる思考力と常にしっかりタッグを組まないことには仕事が進みません。

そんな草枕さんですから、遊びの時間などとても持てないのではないかと推察しましたが、どうして、どうして。草枕さんは大の好きなのだそうでして、年間50回ほども釣りの時間を持たれるそうです。

しかも、仕事の合間を見つけて近所の川で釣り糸を垂れるのではありません。「冬のワカサギに始まって、春は小川の雑魚ざこ釣り、タナゴ釣り、渓流釣り。夏にはあゆ釣り、秋にはサーモンアメマス、年の瀬にはカワハギ釣り・・・」と季節ごとに様々な釣りの楽しみをするわけで、大変な熱の入れようです。

おまけに、仕事を兼ねた釣りで海外へも出かけるというのですから、多忙であろう草枕さんのどこにそんな時間的余裕があるのかと思ってしまいます。

釣りの話が出ましたので自分のことを書いておきますが、私はこの釣りには縁がありません。子供の頃からほとんどしたことがありません。小学校の頃には魚釣り大会のようなものもありましたが、私は一度も参加したことがありません。

いつ針に魚が食いつくわからないまま、ボーッと水面を眺めるのはさぞや退屈だろうと素人は考え、釣りが好きな人は気が長いに違いないなどと考えがちです。が、これも昔に聞いた話ですが、意外なことに、釣り好きは気の短い人が多い(?)ということでした。それが意味するところは忘れましたがf(^_^)、ここにも“哲学”めいたものが絡んできそうです。

さて、話を草枕さんに戻しますが、私も疑問に感じたように、釣りの時間をたくさん持つ草枕さんを知る人は、「たくさん仕事を抱えながら、よく時間が取れますね」と驚かれるそうです。

この疑問に対する草枕さんの答えは、「仕事を終わらせてから釣りに行こうなんて思うと、いつまでも行けないから、釣りにはもう行っちゃうしかないんです」です(^m^)

現代の作家は、原稿を書くのにPCなりのワープロ・ソフトを使う人も多いでしょう。であれば、遊びに行くのでもその“商売道具”を携行していかなければならなくなります。釣り道具というのもきっとかさばるでしょうから、移動が大変に思われます。

その点、草枕さんは幸いといいますか、原稿は手書きのため、原稿用紙と筆記具、あとは資料があればどこでも書くことができるそうです。何でも移動時間も執筆時間に充て、飛行機の中でも集中して原稿を書くことができるそうです。

このようにして、忙しい毎日を送りつつ、「釣りへ行こう!」と自分で決めたら釣りへ行き、存分に遊びの時間を満喫されている草枕さんです。そんな草枕さんだからでしょう。そこからとても重要な“哲学”が生まれます。

遊んでいる人のほうがいい仕事をしている。(中略)作家の場合も、いかに好きなことをやっているか、いかにいいものを見ているか、いかに遊んでいるかが問われる。

私は途中でも書きましたが、釣りには特別な思い入れがありません。それで草枕さんの釣りに賭ける思いは理解できなかったりしますが、その遊びによって紡がれた草枕さんの遊びの大切さについての“哲学”に大いに感じ入るところがあり、それで記事を切り抜いて保存していたのでした。

草枕さんも書いていらっしゃいます。たとえば、旅行会社に勤めるサラリーマンがいたとして、その人が一所懸命に仕事に打ち込むのはいい。しかし、自分の時間を削って仕事をしたからといって、いいツアーを組めるわけではない、という一種のパラドックスのようなもの(?)が潜んでいそうです。

要するに、実体験が伴わず、頭の中だけで組み立てたツアーが実際に楽しいことに必ずしもつながるわけではない、というわけです。

これを書きながら思い出しましたが、昨年の暮れに亡くなったギャグ漫画の天才・赤塚不二夫さん(→ 本サイト内関連ページ)は駆け出しの頃、師と慕う漫画の神様・手塚治虫さん(本サイト内関連ページ→ )からある“啓示”を授かったという話を生前に収録されたインタビューで披露しています。

おっと! ここで予定外のことをしてみたくなりました。これも私の“遊び心”に後押しされてのものと理解してくださいm(_ _)m

生前の赤塚さんが、手塚治虫さんの教えを番組で披露している場面を動画にしてみたくなりました。その場面は昨年にNHKの綜合か教育で放送になった番組にもありましたが(→ 本サイト内自作DVD画像)、手っ取り早く、年末の30日に放送された番組から抜き出して作成してみます。

「手塚治虫の教えを語る在りし日の赤塚不二夫」(2分1秒)

これは、今も続く「スタジオパークからこんにちは」に赤塚さんが出演した時のものでして、聞き手である堀尾正明元NHKアナと高見知佳さんに手塚さんから授かった教えを披露しているところです。

手塚さんの教えはさすがに真理といえるもので、「漫画を描くのだからといって、過去の漫画を手本にしてはいけない。音楽でも映画でも芝居でも、何でも一流のものに接しないなさい」と“弟子”たちに授けたわけです。

これはその通りだと私も思います。で、これが私の考える“遊び”の考え方にもつながり、別に何かを表現することを仕事にしていなくてもいいのですが、自分がそれまで生きてきた中で、どれほどそうした一流の物や者、事に接してきたかがその人間の厚みを増し、それがひいては生み出すものに結実していくのではないか、という考え方になるわけです(本サイト内関連ページ→ )。

これは、私が長年関わっていますNHK−FMのリクエスト番組「サンセット・パーク」へもつながる話になり、音楽のリクエストをするだけといいながら、実はその人がバックグラウンドに豊かな世界を持つかどうかで、リクエストする曲にもメッセージにも広がりが出るように思います。

その「サンセット・パーク」ですが、こちらも今日から新年の番組がスタートです。ちなみに、新年1回目にもリクエストしていますが、果たして採用になりますかどうか(→ 本サイト内該当リクエスト・カード)。そちらも楽しみにしつつ、新しい年の滑り出しを実感していきたいと思っているところです。

以上本日は、途中、いつものことで話を脱線させつつ、「遊びの大切さ」のような話をしてまいりました。

車のハンドルも、いくら回してもカーブが曲がれないのでは危なくて運転していられませんが(^m^)、多少の遊びは絶対必要だそうですね。それと同じで、一個の人間にも、そしてその人間の生き方にも“遊び”が重要な要素となるのでしょう。ということで、今年もいかに“遊べる”か。世の中、仕事始めの日に、敢えて「遊び」について考えてみました。

ということで、本年2009年も、本サイトとお付き合いいただければと思います(´・ω・`)

では、本日分の締めとして、釣り好きの草枕さんがたどり着いた“境地”を紹介することにします。

釣れない時間があるから釣りは楽しい。

最近は本気でそう思えるようになったのだそうですが、きっかけは、カナダで出会ったガイドの「釣りとは、釣れるまでの時間を楽しむゲームなんだ」という言葉だそうです。どんな世界でも奥が深くできていて、極めるのには時間がかかりそうですね。

気がついたら自分が追い求めていた世界が深まっていた、というのが理想です。極めるために闇雲に努力する。のではなく、遊び、楽しんで物事に接していきたいものではあります。

私は「新年の抱負」は持ちませんが、「遊びの時間を持つ」というのを自分に課していこうかな、という風には今ちょっと思いました。

2009年。あなたはどんな年にしたいですか?