| ■ 2007/07/31 保守が革新で革新が保守? |
|
参院選が終わりました。この結果を受けて、各方面で様々な議論が展開されていますが、私は今、奇妙な気分になっています。 このことは、本コーナーで投票日に書いたことにも通じるように思います(→ 本サイト内関連ページ)。 世の中に当たり前のようにある考え方として、「保守」と「革新」があります。ならば、二大政党制で競おうとしている自民と民主はそれぞれどちらに分けられるでしょう。大多数の人は、「保守=自民」「革新=民主」と考えると思います。これまで、私もそのように捉えていました。 しかし、小泉前首相以降の自民と小沢代表が率いる現民主党では、立場が逆転してしまう(?)のだということに気づきました。 こうした構図の捉え方は、専門家の間では早くからなされていて、それが評論家で劇作家の山崎正和さんがお採りになる考え方であり、今日これからテキストにしようと思っている東大教授(政治学)の 今回の選挙結果を受けて、今日の朝日新聞は蒲島教授に結果の分析をインタビューしています。その見出しが「『安倍不信任』そのもの」であったため、拒否反応を持って読み始めました。が、読み進める内、それぞれの政党が持ち始めている性格の分析には興味を持たされました。 今回の選挙で象徴的だったのは、これまで一貫して自民を支持してきた1人区で、ことごとく民主が勝利を収めていることです。そうなった原因を問われた蒲島教授は次のように答えました。 経済発展の果実を、公共事業や農産物保護の形で農村部に分配してきた自民党の伝統的システムが小泉前首相によって壊され、それに対する業績評価を安倍首相が受けたことにある。 安倍首相自身は、農政に関しては、本来的には伝統的な自民党的考え方を持っていたようです。しかし、改革を掲げた小泉首相のあとを継ぐ形で改革に向かいました。それが地方の農村部からは、自民が伝統的な政策から離れているように受け止められ、気持ちが離れていったことも考えられます。 そこへ登場したのが、民主党の小沢代表です。小沢さんといえば、小泉前首相とは正反対(?)の伝統的な自民党体質の政治家といえます。その小沢さん率いる民主党がかつて自分が属した自民党と 今度の参院選を前に、小沢さんが真っ先に目を付けたのは、小泉前首相以降置き去りにされがち(?)な地方の農業地帯です。民主党内からも反対意見があった(?)ようですが、耳を貸さず、「1人区勝負」に出ます。自民時代に取った 昨年10月25日の朝日新聞に載った山崎正和さんのお考えに移ります。 その記事で「政治における保守とは何か?」と問われた山崎さんは、近代以前の「文化と結びついた政治」が許された時代にだけ成立した政治的態度、というように答えています。この場合の「文化」とは、たとえば茶碗を持つなら左手、はしは右手で持つ作法のように、容易には変えられないことの意味でおっしゃっているようです(←私はそういう風に受け止めた、ということに過ぎませんm(_ _)m)。 話は逸れますが、投票日直前に放送された「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)に出演されていた国民新党代表代行(※前自民党議員)の亀井静香さんが、司会の田原総一朗さんから「亀井さんが考える世界で理想的な国はどこか?」というような質問を受け、即座にブータンと答えたのが印象に残りました。 → 「朝生・亀井静香ブータンを語る」 〔→ ナローバンド版〕(※視聴にはWindows Media Playerが必要ですm(_ _)m) ブータンという国のイメージをすぐさま思い浮かべるのは難しいのですが、私がそれを聞いて勝手に連想したのは、モンゴルの大草原です。そ! 泣かされに泣かされたモンゴルを舞台にした映画『天空の草原のナンサ』(本サイト内関連ページ→ 1・2)の世界です。 この映画のラスト近く、新しい草原を目指して移動するナンサ家族の脇を、選挙カーが走り抜けていくシーンがあります。モンゴルでも急速な近代化が進み、国の人口は首都のウランバートルに集中し、昔ながらの放牧生活を続けるナンサ家族は圧倒的少数派です。ナンサの両親にも選挙権はあるのでしょうが、選挙カーに関心を示すことなく、家族は黙々と新天地を目指すのが象徴的です。 伝統的な保守政治が成立し得た前近代の時代が終わり、政治から文化が切り離されました。それ以後、政治はもっぱら頭を使う仕事、理性の仕事になりました。 山崎さんがおっしゃることに、「保守・革新」という言葉は先の大戦終了後広く使われるようになったそうです。ここで生まれた対立は、「自由主義」の立場と「計画経済=社会主義」の立場です。そしてそれらを仮に「保守・革新」と呼んだに過ぎない、のだそうです。ただ、それについて語った中で、山崎さんは次のように付け加えています。 それ(「保守」「革新」)がいかに不適切な用語かが誰の目にも明らかになったのは、旧ソ連の崩壊後だろう。旧共産党の人たちが保守派と呼ばれたのだから。 「保守・革新」といういい方が不適切な用語かどうかの議論はひとまず置き、「自民が保守」で「民主が革新」かというと、冒頭で書きましたように、どうやら逆なのではないか、ということに行き当たります。 安倍首相は「戦後レジーム(≒55年体制)からの脱却」を説き、「憲法改正」「教育基本法改正」「公務員制度改革」などなどを推し進めています。用語から受けるイメージでいけば、改革を続ける安倍自民党こそ「革新政党」で、それらにことごとく反対をする民主など野党が「保守政党」になりそうです。 「(安倍首相が)教育基本法を改正して愛国心を養おうとする政策は、保守的でしょうか?」との問いに、山崎さんは次のように答えました。 違う(=保守的ではない)。いわゆるナショナリズムは、すべて革新の主張だ。歴史的に見ても、慣習に従った長老支配が続く集団でナショナリズムを叫んだのは、旧体制を否定する青年たちだった。保守化ではない。(中略)「この国とはこういうものだ」と名を付け、理想的な使命感を与えて「こっちに進むことが愛国心だ」といったら、これはまさに進歩主義的だ。 今まさに、安倍首相は「旧体制=戦後レジーム(体制)」からの脱却を目指しているのであり、国の革新を唱える政治家ということになります。それに対抗する民主党の小沢代表は“文化”の残る地方重視を訴えて選挙戦を戦った、ということになりましょうか。いや、いろいろ考えるとゴチャゴチャにこんがらがりそうなんですけれど。 民主党がいう「食料自給率を高める」という目標はいいでしょう。また、中小企業の優遇も掲げています。一方では「格差是正」も目指します。ということは、今の地方レベルに中央が合わせなければ是正にはならないことになりはしないでしょうか? いや私は、専門家でも何でもないので、詳しいことは全然わからないんですけれどねf(^_^) 今は時代の進み方が速いです。少し前までは「10年ひと昔」なんていいましたが、今の時代、5年、3年後の予想さえ立てづらい状況になっています。私はマイペースで行きたい ともあれ、今回の参院選が終わり、民主党は初めて同院で第一党になりました。喜んでばかりもいられません。注目度は今までの比ではなくなります。その声に現実に応えていくことができるのか。少なくとも、これまでのように、民主党が公務員の労働組合(「ウィキペディア>自治労」)となれ合いを続けていたら、一遍で国民の信頼を失うでしょう。 その意味だけでは、今参院選で民主が勝利したことも意味があるでしょう。ちなみに、民主党の比例区で【507,787票】を獲得してトップ当選したのは、自治労組織局次長の相原久美子さんです(「ウィキペディア>相原久美子」|「YouTube>MBS 自治労 相原久美子」)(→ 自治労発、相原久美子候補への投票指令画像〔大〕|画像〔小〕|→ 本サイト内関連ページ)。 さ、ここで「社保庁の味方」(?)こと長妻昭議員(本サイト内関連ページ→ 1・2)の出番です。それが同僚の相原議員であれ、徹底的な追及を期待しますよ! 年金問題で民主党に投票した国民全てが大注目しています! 当然、大いに期待しちゃって…いいんですよねぇ? 「ミスター年金」さん( ;^ω^) 【本日のお笑い豆誤変換】:×「特産品が痴呆を救う」→ ○「特産品が地方を救う」(^O^; |