■ 2007/05/26 にわか評論家・ドラマ編

昨日の本コーナーで、私は「にわか靴下評論家」(?)もどきをしてみたりしました(→ 本サイト内関連ページ)。

その続きみたいになってしまいますが、今日は「ドラマ評論家」をしても構いませんか? いえ、もちろん、「ドラマ評論家」のうしろには「にわか」と「もどき」を付けますですです(´Д`;)

では、「することを許してしんぜよう」というお言葉をいただけたことにして、先を続けたいと思います。

では、評論対象となるドラマを選定しなければなりません。既に選んであります。昨夜放送になったドラマで、私は例によって夜9時前には寝ることにしているため、9時から放送をリアルタイムでは観ていません。PC録画したもので観ました。

今回、評論の俎上に載せる(そじょうにのせる:批評などの対象としてとりあげる=広辞苑)ドラマは、昨夜、フジテレビで放送になった『星ひとつの夜』です。

このところ、私はテレビ・ドラマを進んでは観ません。昔は、秀作ドラマが多かったせいか、選んで観ていましたが、最近はさっぱりです。あ゛、昨年放送になった『僕の歩く道』という連続ドラマは、自閉症(→ 本サイト内関連ページ)が主人公ということで関心を持ち、例外的に毎週観ていました。観ただけでなく、途中からPC録画したものを自作DVDにまでして残しています(自作DVD画像→ )。

【本日の豆ファン】:このドラマを観るようになって、初めて知った女優(?)のファンになりました。都古(みやこ)を演じた香里奈(かりな)さんです(^_^; 『深呼吸の必要』という映画の予告編は映画館で観ましたが、その映画に彼女が出ていたとは知らなかったし、観ようとも思わなかったなぁ。おっと、『メッセージ 伝説のCMディレクター・杉山登志』というTVドラマにも出ていたらしい。これはPC録画し、DVDに焼いて残してあります(→ 自作DVD画像)。あとで確認のために観ようかな?

昨夜のドラマは単発ものです。私がこのドラマの放送を知ったのは、23日の産経新聞の記事によってです。その日の文化欄には、このドラマに主演する渡辺謙さんへ取材した記事が載りました。

その記事によれば、渡辺さんがドラマに出演するのは3年ぶりだそうです。そして、渡辺さんをドラマ出演に誘ったのは、今回のドラマも手がけた脚本家の山田太一さんです。今から1年以上前のことです。

その時期、渡辺さんは渡辺さんで、『ラスト・サムライ』によってハリウッド進出まで果たしたものの、自分の中では、「これから先、自分はどの方向へ向かうべきか」で迷っていたといいます。

それ以前、渡辺さんはNHKの大河ドラマ『独眼竜 政宗』「YouTube>獨眼龍政宗 Opening 〔with high quality edition〕」)(→ 本サイト内関連ページ)の主役を演じて以降、人気を確立し、6、7年はドラマを中心に活躍しました。

しかし、ある時を境に、テレビ・ドラマへの出演をすべて止めてしまいます。ご本人曰く、「(日本のドラマの)内容がどんどん過激になり、きちんと人間を描くものが少なくなった」からだといいます。もしかしたら、私がドラマ視聴者を止めたのも、渡辺さんの判断と同時期、かもしれません。

それが今回、“山田ドラマ”から誘いを受け、出演を快諾(かいだく:快くききいれること。気持ちよく承諾すること=広辞苑)します。「殺伐(さつばつ:平気で人を殺しかねないようなあらあらしさに満ちていること。すさんでいること=広辞苑)としたニュースが多い今の世の中だからこそ、人とのかかわりをきちんと見せたい」と感じられて話を受けたということのようです。

この事情を知った私は、ドラマの放送を楽しみに待ちました。ここで描かれるのは中年の男(=渡辺謙)と若い男(=玉木宏)で、ふたりはそれぞれに事情を持ち、孤独であるらしいことも私の興味をそそりました。

と、ここまではドラマ誕生までの背景だけを語り、“にわかドラマ評論家もどき”の自分の出番はなしできました。では、この辺りから評論家めいたことを書きます。

観たあとの感想をひとことで“評論”させてもらえば、「期待外れ」でした。て、ひとことで済ますようでは、たとえ「もどき」であったとしても、評論家失格ですねf(^_^)

では、個別に見ていきましょう。

脚本を担当されたのが、数々の名作ドラマを生んだ山田太一さんですから(YouTube>岸辺のアルバム オープニング 第1話)、脚本がどうしようもなく悪い、ということは考えられません。しかし、観初めてすぐ、私は「う〜ん、どうなんだ? どうなんだ?」と思い始めてしまいました。

その不満をひと言で表現すれば、ドラマに厚みが感じられないことです。

私は得体(えたい:正体。本性=広辞苑)の知れない寡黙(かもく:言葉数が少ないこと。ほとんど物をいわないこと=広辞苑)な主人公を期待していました。

渡辺さん演じる中年男は刑務所帰りで今はコンサートホールの清掃員をしています。一方、中年男とひょんなことで交流を持つようになる若い男は、ネットを介して莫大な金を株取引きするデイ・トレーダーです。

ついでなので、ここで、このデイ・トレーダーのモデルとなったであろう人物に関わっておきます。

モデルはおそらく、必ずや、きっと、あのジェイコム株上場日に歴史的な誤発注があり(「ウィキペディア>ジェイコム株大量誤発注事件」)(本サイト内関連ページ→ )、それを利用することで1日で20億円もの利益を上げ、「ジェイコム男」(「ウィキペディア>B・N・F 〔ジェイコム男〕」)として一躍世に知られるところとなった「B・N・F」さんでしょう。

彼はそれ以後、何度となくテレビ取材されていますが、ドラマに登場するデイ・トレーダーとはイメージがかなり違います。実在する彼の生活ぶりはいたって質素。昼食は、集中力が落ちることを警戒して(?)、毎日カップラーメンです。100億円以上の資産を持ちつつ、昼食にはカップラーメン。この辺りのギャップを、名手の山田さんが上手く料理できなかったものかなぁ、と私は思ってみたりするんですけれどね。

それはともかく、放送当日の新聞のテレビ欄でしたか、脚本を担当された山田さんの、「最近のドラマは説明し過ぎる。自分はなるべく説明しないドラマを目指した」みたいなコメントが紹介されていました。ですので、ふたりの男は番組終了まで、あるいは、終わったあとも視聴者には理解しがたく、視聴者各人に意味を考えさせるような仕上がりにになっているもの、と勝手に想像していました。

ところが、このふたりの男の口数が多いのです。しゃべる、しゃべる。何でもしゃべって自分という人間を相手(=視聴者)に伝えようとします。また、演出にも奥行きが感じられません。

登場人物があまりにも類型的です。

11年の刑期を終えて刑務所から出所した中年男の保護観察(施設に収容せず、指導監督・補導援助によって犯罪者の自発的な改善更生を図る制度。執行猶予をいい渡された者、仮出獄者などが対象=広辞苑)を受け持つ保護司夫婦が出てくるのですが、これがまた絵に描いたような“いい人”です。

そんな“いい人”がこの世にいるわけない、と私は考えるため、白けてしまいます。

私は自作DVDに焼いて永久保存するつもりでPC録画しました。が、出来は期待外れで、HDD(ハード・ディスク・ドライヴ)の容量を圧迫するだけの録画データは、DVDに焼くことなく、消去することになりそうです。

ただ、好みの問題で、今回のドラマに満足されている方もいるでしょう。私は、期待が強過ぎた(?)ということでしょうか。

同じ脚本であっても、撮影をビデオ・テープではなくフィルムにし、演出も“粘り”を見せることで、少しは違った仕上がりになったかもしれません。

私個人としては、他人に容易に心を開かない理由が、事件やネット・トレードではなく、もっと別の、人間が本来持つ奥深いところに設定したなら、登場人物を深く描けそうな気がしたりするのですが、いや、これは素人の浅はかな考えというものでしょう。

なんたって、私は「にわかドラマ評論家もどき」ですから( ;^ω^)