■ 2006/04/14 次世代DVDといわれても

今、手元に、おとといの「次世代DVD 規格争いPCに飛び火」という見出しがついた産経新聞の記事の切り抜きを持ってきました。

記事の内容は、見出しからおおよそ察しがつくかとは思いますが、そ、次世代DVDの覇権争いを演じている「HD DVD」「BD(ブルーレイ・ディスク)」という異なる規格(→ 本サイト内関連ページ)が、夏商戦のPC戦略にも影響を及ぼし始めている、というようなことが書かれています。

【本日の豆願望】:私がもしも、「HD DVD」「BD」いずれから好ましい規格を選べといわれたら、「HD DVD」を選択したいと思います。理由は単純で、「現行のDVDと互換性を持つ」からです。さて、実際はどちらが支持をより多く集めるでしょうか?

PC製造メーカー側が、「ハテ? どちらの規格に準じたDVDドライヴを搭載するべきか」と逡巡(しゅんじゅん:ぐずぐずすること。ためらうこと。しりごみすること=広辞苑)する状況というのは、そのままエンド・ユーザーである私たちに直接的なしわ寄せが来ることを意味します。ですので、ここはひとつメーカー間で妥協できるところは妥協し、なんとか規格統一へと持って行ってもらいたいところです。が、現実的にはもはや望み薄です。

思えば、異なる規格による混乱は、かつてのビデオ規格がそうでした。

今でこそビデオといえば、日本ビクターが開発したVHS方式を指しますが、当初は並立する形で、ソニーが自信を持って世に出したベータマックス方式がありました。結局は、VHS陣営についた松下電器の販売力が功を奏し、ベータマックスは十分な性能を持ちながら、片隅へと追いやられてしまいました。

次に、異なる規格で消費者を惑わしたのは、DVDが発売される以前、映像を楽しむために開発・販売されたビデオ・ディスクの例を挙げることができるでしょう。ここでも、パイオニアが開発したLD(レーザー・ディスク)と日本ビクター開発のVHDとがしのぎを削りましたが、結果はLDが覇権を握り、VHDは知らぬ間に市場を退場していきました。

あ、そうそう。PC利用者にとって身近な覇権争いといえば、OS(=基本ソフト)の例を挙げなければならないでしょう。いうまでもなく、MicrosoftApple の争いです。こちらもApple のよい点は認識しつつも、結果的にはMicrosoft の一人勝ちと相成りました。

このように、ここ数十年の動きだけを見ても、新しい技術が生まれ、それが定着する過程では、必ずのように異なる規格が生まれてしばらく対立し、やがてひとつの規格に集約されていく、という道を辿ったことがわかります。そして、その過程がいい意味でお互いを刺激し合うことになり、結果、技術をより進歩させることにつながったといえそうです。とすれば、今回の次世代DVDにしても、どちらかが主流となるまで消費者が迷惑を受けることを別にすれば、“必要悪”(?)といえなくもありません。

ただ、根本的な話、個人的には次世代DVD規格が今なぜこれほどに急がれるのか、その背景を考えると、釈然としない気分になることも事実です。

結局のところ、2011年に完全移行する地上デジタル放送(本サイト内関連ページ→ )が問題の根本にあり、それに対応するためにより記憶容量の大きな新規格DVDが必要になっているという事情が浮かび上がってきます。地上デジタルというからわかりにくくなりますが、要するに、NHK(でしたか?)が研究開発した「ハイビジョン放送」を、衛星パラボラアンテナでなく、地上放送受信のアンテナで視聴できるようにした新システムが“地上波ハイビジョン放送”ということになります(「デジタルARENA>知っておきたい!地上デジタル放送の新常識!」)。

で、その放送システムの特徴としては、まず画面のサイズが現行の「4(横):3(縦)」から「16:9」へとワイドになります。また、走査線の数も現行の【525本】から最大【1125本】と倍になり、よりきめ細かな映像を視聴できるようになります。

しかし、これはデジカメ(デジタル・カメラ)でもそうですが、より高密度な画像を記録するには、それ相当の記録容量が必要となります。ましてや、デジタル動画は高密度の画像が1秒当たり30フレーム(※映画フィルムの「24コマ」に相当)記録することになり、大容量の記録メディアが必要となるわけです。

このように、まず地上デジタル放送というものがあり、それに消費者が対応を求められることになります。

それやこれやで、私は疑問に感じてしまうんですね。「映像が綺麗になるのはわかった。でも、それに見合ったテレビ番組は一体どれだけあるの、、、(-_-;)」と。

春・秋の番組改変期、民放の特番がズラリと並んだ新聞のテレビ欄を毎年目にするたび、決まって、私は絶望的な気分になってしまいます。どれもこれも下らない番組のオンパレードを目にすることになるからです。そうした“ジャンク番組”(→ 本サイト内関連ページ)が、地上デジタルだか何だか知りませんが、いくらワイドの綺麗な映像になったとしても、私は一切観る気にはなりません。

ですから、目下のところ、地上デジタルに対応した機器の購入も、私は検討する気にはなれません。そうはいっても、2011年には待ったなしで現行のアナログ放送は打ち切られてしまいます。つまり、以後は今のテレビは観られなくなるということです。しかし、それならそれでもいいでしょう。それを機会に、「テレビとおさらばするのなら」、と本気で考えていたりします(^_^;

そんなことを考えているうちに、ユーザーを惑わす結果にしかならない次世代DVDの覇権争いも鬱陶しい話題のように思えてきました。その次世代DVDの登場により、ユーザーは何かしら得することでもあるのでしょうか。

確かに、「HD DVD」にしても「BD」にしても、今のDVDの数倍の記憶容量となるので、記録メディアとしては重宝になりそうです。が、もしも、テレビ放送を録画しないのであれば、HDD(ハード・ディスク・ドライヴ)があれば十分ですしね。

何より、地上デジタル一本に切り替わると、著作権の関係上からコピーガードのための信号が番組とともに送られてくることになり、それによって、たとえば今私が楽しんでいるような、「自作DVD」(本サイト内関連ページ→ )の楽しみが奪われてしまいそうです。

だとしたなら、大容量のDVDが一般的になっても、それを録画に利用することはなさそうです。

【本日の豆録画事情】:私は、最近になって、PC録画と共に、それ以前のビデオ・デッキによる録画を再開しました。ビデオの場合は、映像の綺麗さは度外視し、とにかく、手当たり次第に録画するようにしています。今取り組んでいるのは、NHK衛星第2で放送されている「懐かし映画劇場」及び「ミッドナイト映画劇場」の録画で、放送される作品を片っ端から録画しています。全て3倍速録画であれば、120テープに3作品ずつ録画できます。

以上本日は、次世代DVDの覇権争いをテキストに、自分の考えや不満を書いてみました。一番の問題は、途中でも書きましたが、“永久保存”に値する魅力あるコンテンツ(=番組)がどれだけあるかで、次世代DVD、ひいては地上デジタル放送が普及するかどうかは、放送の送り手の“姿勢”にかかっている、といっても過言ではないと思います。

そうはいってはみたものの、評論家・大宅壮一の“予言”通り、テレビの誕生によって日本国民の「一億総白痴化」が急速に進んだ(?)現代、地上デジタル放送が始まったら始まったで、“ジャンク番組”に興じる視聴者だらけになる現実が待ち受けていそうではありますが、、、。

下らない番組にスクランブルがかかるような機能を、“次世代放送”には持たすべきではなかろうか。



【本日の豆ドキリ!】;午後4時半過ぎ、関東南部の当地ではいきなり「ドスン!」というような地震がありました。いやー、心臓に悪いです(゚□゚;)