| ■ 2003/12/15 「フセイン拘束」の吉報届く |
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多くの方が既にテレビの報道などでご承知のところだろうと思いますが、昨夜、何の前触れもなく実に大きなニュースが飛び込んできました。いうまでもなく、フセイン元大統領を拘束したという朗報です。 あいにくのことにといいますか、今日はたまたま新聞の休刊日に当たり、朝刊の配達はありません。皮肉にも、「新聞休刊日に限って大きなニュースがある」という“マーフィーの法則”的なものが今回も実証されてしまいました。今頃、新聞記者の方々はさぞかし歯 それはともかく、当然のことながら、そんな大ニュースが飛び込んでくることなど全く予想せず、午後9時前になり、私は間もなく始まる「NHKスペシャル」を観るかたがた、その前に放送される気象情報でも観ようと思って初めてテレビのスイッチを入れました。 すると、何やらただならぬ雰囲気です。 そこで、画面に目を凝らすと、ニュースを伝えるNHKの伊藤博英アナウンサーが、「フセイン元大統領を拘束したことをイギリスのブレア首相が明らかにした模様である」云々と伝えているではありませんか。それを聞いた瞬間、身体がゾクッとして身震いしました。そして次の瞬間、たとえようもないほどの嬉しさが込み上げてきました。 何しろ、イラク国民を長年に渡って恐怖によって支配してきた(→ 本サイト内関連ページ)“悪の枢軸”の張本人が米軍の手によって捕らえられたのですから。 NHKのニュースは「NHKスペシャル」開始の9時以降もそのまま引き続いて放送され、イラク現地時間の午後3時(日本時間の午後9時)、現地で「重大な発表の記者会見」が開かれると伝えられました。その予定時刻から遅れること15分ほどで、問題の記者会見は始まりました。 その記者会見の冒頭、開口一番でイラク暫定行政当局のブレマー文民行政官は「我々はヤツ(=フセイン元大統領)を捕まえた」と発言しました。その瞬間、そのことは予想されていたにも拘わらず、記者会見場は大歓声に包まれました。 この辺りがアメリカなど、欧米の責任者の洗練された対応で、同じことをもしも日本の福田官房長官辺りが行ったとしたら、記者たちの反応も違うものになったことでしょう。恐らくは、福田さんであれば、それまでに確認された事実だけを慎重に回りくどくボソボソと話したに違いありませんから。この辺りは、欧米のソレに日本の責任者も見習うところ大といえます。 今のところ明らかになっているところでは、フセイン元大統領はイラク現地時間の13日夜、イラク北部のティクリットから南東に約15キロほどのところにあるアッドールという村で発見され、生きたまま米軍に拘束された模様です。 拘束時の詳しい状況ですが、発見された村のある小屋の地下に掘られた人一人がやっと入れるほどの狭い縦穴に続く横穴に身体を横たえていたとのことです。その際、フセイン元大統領は75万ドル(約8100万円)と自動小銃2丁、ピストル一丁銃などを所持していたようです。 これは、恐らく誰もが反射的に連想したであろう、オウム真理教の当時の教祖だった松本智津夫(同教団内名・麻原彰晃:48歳)(→ 本サイト内関連ページ)被告を拘束した状況と余りにも似通っています。彼の場合は、教団内の隠し部屋だったか、部屋の隠し壁だったかの人がやっと一人潜り込める狭い空間に、札束を抱えて息を潜めていました。 いずれの人物も自分の支配下の組織内では巨大な力を持っていたにも拘わらず、自分の命が危ないとなるや、そんなことはそっちのけで、ありったけの金を手につかんで見つからないであろうと思われる隠れ場所に身体を小さくして身を潜めていたことになります。しかも、フセインの場合は、急襲した米兵に対して「撃つな。私はイラク共和国大統領だ」と命乞いをしたことがアメリカCBSニュースによって明らかにされています。これが人間というもののどうしようもない浅ましさの正体なのかもしれませんが、それにしても、彼に従っていた人間にとってはやりきれないだろうと思います。 現地イラクから衛星生中継で送られてくる記者会見では、拘束されたフセイン元大統領が身体検査された際のビデオ映像が流されました。その瞬間、またしても記者会見場には歓声が上がりました。中でも、アラブ系の記者でしょうか、前の方の席に陣取っていた記者たちは興奮を抑えきれない様子で立ち上がり、大きな声を発していたのが印象的です。 映し出された映像には、かつて恐怖政治でならした頃の面影はありません。髪は散髪もできずに伸び放題。自慢の髭も、付け髭でも付けているのか、あるいは伸び放題にしてあったのか、鼻から下が髭ぼうぼうの状態です。 ただ、私個人の第一印象を率直に書けば、いい悪いは別にして、長い年月に渡って権力の座に君臨しただけのことはある風貌を持った人物であると思いました。 「男の顔は履歴書」(女の顔は請求書?)とはよくいわれることですが、粛清(しゅくせい:不正者・反対者などを厳しく取り締まること。独裁政党などで、方針に反対する者を排除すること=広辞苑)に次ぐ粛清で数え切れないほどの権力闘争を行い、その力によって権力の頂点にまで上り詰め、それこそ命がけでわが身と力を守り続けた男です。その履歴が、よくも悪くも、フセインという男の顔に如実に刻み込まれているように私は感じました。 もしも彼の肖像画を描いたなら、それ相当の絵が出来上がると思います。何度もいいますが、いい悪いは別にして_。 思えば、日本の歴史上の織田信長にしろ豊臣秀吉にしろ、恐らくはこのフセインと同様に、あるいはそれ以上の権力争いをしたはずです。それが今になれば歴史上の人物として崇められ、繰り返し小説になり、ドラマになり、多くの人々にとっての英雄となっています。ちなみに、私はそうした歴史上の英雄というのはどうにも好きになれず、中でも豊臣秀吉という“子男”は大嫌いです。 話をフセイン元大統領に戻せば、拘束の時点で射殺することも可能だったものをわざわざ生きたまま捕らえたということは、今後に影響を与えそうです。途中でも書きましたように、抵抗らしい抵抗はなかったようですし、彼の口から今後もしも大量破壊兵器の有無について聞き出せたなら、イラク戦争に一貫して反対する勢力の「戦争の大義がない」といういい分に対しての強力な反論ができそうです。 一貫してイラク戦争を支持してきた私としては、その戦争の大義の基となる大量破壊兵器の存在がフセインの口から明らかになることを期待しています。 このあとの問題は、今回の拘束の事実を受け、イラク国内の治安が回復されるかどうかであると思いますが、その前に、今回の拘束に対する世界及び日本国内の反応を、NHKニュースは街頭インタビューという形で伝えていました。 やはり積極的に歓迎したのは、イラク国民は別にして、アメリカの市民で、ニューヨークでインタビューに答える中年女性は「ぞくぞくするほど嬉しい」と実に素直に喜びを表現しました。それはそうでしょう。何しろ、あのテロリストの 曰く「びっくりした」だの「まさか捕まるとは思っていなかった」だのの腑抜けな反応ばかりで、この問題に関して結局のところな〜んにも考えていないことが明らかになってしまっているからです。また、一人の中年サラリーマン風の男性は「拘束の状況遺憾によっては、逆に悪い影響を与え、さらにテロが拡大するかもしれない」とまるで左翼の評論家のようなコメントを発していました。 しかし、それとて十分な知識に基づいた発言であるはずもなく、「こういう場合はこういった方がインテリに見られるかも」といった程度でしかないことがコメントの端々からも窺えました。 結局は、イラクへの自衛隊派遣に反対する人々の多くはその程度の情緒的な反応でしかないことが、今回の街頭インタビューから図らずも明らかになりました。 それにしても、フセイン元大統領の拘束は間違いなく吉報であるはずなのに、それを伝えるニュース・バラエティに出演されているコメンテイターの方々の中で顔を曇らせる人が少なくないのはどうしたものでしょうか。 中でも、イラク戦争に反対をいい続けて来た人ほど顔色が冴えません。まさか、心の奥底で「残念だ! 間違いであって欲しい!」などと思ってはいませんよね。ともかくも、この上、フセイン元大統領の口から大量破壊兵器の存在が明らかになったりでもしたら、彼らの立場はどうなるのでしょうか。 いずれにしましても、今回のフセイン元大統領の拘束という重大な事態を受け、それがすぐさまイラク国内のテロ沈静化に反映される、などと物事を楽観的に見ることは禁物ですが、それでも、全く影響を与えないこともないといえるでしょう。 願わくは、今回のことが大きな契機となって、イラク国内の治安回復が回復され、安定した中で復興が進むことを切に願いたいと思います。 【本日の豆ビックリ!】:フセイン元大統領拘束の報を受けて喜ぶバグダッド市内の市民の様子がニュースで流れましたが、祝砲と称してライフル銃や機関銃のようなものを普通の一般市民が空に向けて発射している映像には正直いって驚かされました。どうしてあんなに一般市民に銃が行き渡っているのでしょう。祝砲のつもりでよそ見して撃って誰かに当たったりはしないのでしょうか? 日本を含めて、先進諸国では決してあり得ない光景だと思いました。 |