■ 2002/05/24 中国・瀋陽領事館事件雑感

今更ですが、今月の8日に中国の瀋陽しんようで発生し、さらにその一部始終が映像に記録され、世界的な論議を呼んだ日本領事館事件(「ウィキペディア>瀋陽総領事館北朝鮮人亡命者駆け込み事件」)について少し触れておきたいと思います。

まず全体の流れをみて、私は「いつものお決まりのパターンか」と深く溜息をつきたい気分になりました。どんな事態になっても、どんな行動を採っても、結局は日本が悪い、という例の論調です。

何なんでしょう? 一体、この構図は、、、┓(´_`;)┏

事件のあらましは、5月8日午後、中国の瀋陽市内にある日本領事館に北朝鮮からの亡命者男女5人が駆け込み、それを中国の武装警察官が領事館の敷地内にまで立ち入って、男女を全員連行して行ったものです。

そして何より人々の関心を引いたのは、その一部始終がフリーのジャーナリスト(?)によって撮影され、広く世界に配信された点です。私はその映像をテレビで観たとき、あまりに出来すぎていたため、ヤラセではないかと疑ったほどです。

しかし、その“疑い”は一部真実を突いているように思えないでもありません。

それはともかく、その後の日本と中国、プラス反日的日本人の反応は私が予想した通りの展開を見せました。

私自身は、日本と中国双方が互いの立場を主張して対立することは、ある意味当然で、あっても全く不思議ではないと考えています。

今回の事件を通しても感じる、最も理解できない点は、今も書いた反日的な人々の反応です。彼らは何故にかくも中国寄りの発言をするのでしょうか? あるいは、中国から何か謝礼でも受け取っているのでしょうか? それとも、心からの“善意”による行いですか?

どちらだとしても、首をかしげざるを得ません。

たとえば安倍(晋三)官房副長官は、民主党が採った行動を「中国の拡声器のようだった」と表現し、後に撤回したそうですが、言い得て妙だと思います。

国と国との外交には、時には嘘もハッタリも必要で、それらを駆使して相手の出方を封じ込めることも求められます。であるのに、わざわざ日本側が不利になるようなことを相手に提示していてどうするんですか?

今回の一件を待つまでもないことですが、残念ながら、民主党には日本国を治める資格が全くない、と指摘せざるを得ません。

また、日本の一部マスメディアの報道ぶりは、例によって例の如くです。日本側が採った不手際な点を、鬼の首でも取ったかの如く、あげつらう事に終始しています。

この調子でいきますと、彼らは、日本が他の国と戦争を起こしたときでさえ他国の肩を持ちかねません。彼らは本当に日本のマスメディアなのでしょうか?

何遍も書きますが、国と国との交渉ごとにおいては、“真実”よりも優先すべき事があります。それをないがしろにされてしまっては、その先頭に立って交渉に当たっている人間は堪ったものではないでしょう。

戦場において、背後から味方の撃った弾が飛んでくるようなものです。

厳しい就職戦線を勝ち抜いてきた優秀な人たちばかりが集まった職場のハズです。もう少し頭を働かせてみませんか? 仮に就職活動の最中に、ヘンな屁理屈をつけられて、活動の足を引っ張られたりしたら困るでしょ? それと同じことです(?)もん。

これがもし、日本と中国が逆の立場だったらどうでしょう?

日本国内にある中国領事館に亡命者が駆け込み、それを日本の警察官が領地内にまで駆け込んで亡命者を引きずり出したとしたら。それこそ、日本の政府、警察の対応は徹頭徹尾批判されたことでしょう。

そしてまさに、その批判されるべき行動を中国当局が採ったにも拘わらず、何故か、日本のマスメディアは中国当局には甘く、それを阻止しなかった日本側の非ばかりを強調しています。

こういうのは、ダブルスタンダードとはいわないのでしょうか?

もし、マスメディアが本気で人権というものを考えるのなら、一義的には中国当局の採った行動を徹底的に追及すべきです。それが出来ないのであれば、日本側だけを責め立てることは出来ないでしょう。

一連の報道を見ていて、私は昨年ハワイ沖で起こった日本の高校生を乗せた実習船「えひめ丸」とアメリカ原潜が衝突し、実習船が沈没した事故(「ウィキペディア>えひめ丸事件」)を巡る報道ぶりを思い出しました(本サイト内関連ページ→ )。

その際も、明らかな原因はアメリカ軍の原潜側にあったにも拘わらず、日本のマスメディアはアメリカ当局の責任追及には向かわず、実に些末さまつな方向へと向かいました。

既に憶えていらっしゃらない方もいると思いますので書いておきますと、当時首相を務めていた森(善郎)氏が、事故一報を聞きながら首相官邸に即刻戻らず、ゴルフを楽しんでいた事実を捉え、首相の責任という“国内問題”へと“すり替えて”しまいました。

確かに、「何とも暢気な、、、」とは思いましたが、ソレはソレとして、一義的にはアメリカ当局の責任を徹底的に追及すべき問題でした。

結局は小泉(純一郎)首相を誕生させただけで、あの一件で、アメリカ側からきちんとした謝罪があったのかどうかさえ、私の記憶には残っていません。

一事が万事この通りで、日本の一部マスメディアは自国の体制を叩くことが最重要事項で、結果的に相手国の肩を持つ彼らは、反日的日本人といわざるほかありません。

国と国との関係を地球的なスケールで見ると、日本と中国が対立して得をするのはどこの国でしょうか?

中国は今や経済大国にのし上がろうとしています。その人件費の安さに目を付けた各国は製品の生産拠点を中国本土に移し、メイド・イン・チャイナの製品が世界市場に溢れつつあります。加えて、中国には10億人もの国民=消費者が溢れ、世界一のマーケットとして注目されています。

そこへのビジネス・チャンスをどこの国も必死に探っている状態です。であるのに、日本が中国と仲違いしていているなんて、自分の方からチャンスを放棄しているようなものです。

気がついたら、アメリカなどの主要国がその利権を全て手にしていた、では遅いでしょう。

ま、そうなったらなったで、反日的マスメディアは日本の対応のまずさを批判するのでしょうが。“自分たちの犯した罪”は都合良く綺麗さっぱり忘れて、、、(-_-;)

ともあれ、日本の内閣、各政党、各マスメディアに望むべきは、国と国との交渉事をしている際には、自分たちの利益はひとまず脇へ置いて、それに協力する態度を採ることが何よりも重要である、といえるでしょう。