■ 2001/03/04 サブカルチャー

音楽の世界に“序列”はない、とは思うのですが、実際にはあるのかもしれません(←どっちなんだ?)。

例えば、クラシック音楽。

「私は子供の頃からヴァイオリンを習っていました」とか「物心のつく頃から私はピアノの前に坐っていました」なんて言葉をうら若き女性から聞くと、何とはなしに、その女性が知的に見えてきたりするってことないですか?

ま、ぶっちゃけた話、私はこれまで女性からそんな言葉は聞いたことがないわけですけれどf(^_^;) 一つの観念的なイメージとしてね、クラシック音楽=上流階級(日本にはそんな階級なんてないか?)なんてのが私の中にはあったりします。

これがもし、同じ女性に「私、太鼓叩くのが好きで、うちには一応ドラムスのセットがあるんだぁ」なんて言葉を聞かされたのなら、「へぇ〜、ドラムやっているんだ。やるねっ」程度の反応で、そこから高貴なイメージは浮かべないだろうと思います。

何なんでしょうね? この無意識の感覚は。知らず知らずのうちに、私たちは何かに洗脳されているのでしょうか。

それはともかく、今日の産経新聞「アート」欄に、ある展覧会の記事が載っていました。

それは、『高山良策の世界展』練馬区立美術館で2月3日〜3月20日まで開催中)です。

展示されている作品はといいますと、それが何かといいますか、大魔人「YouTube>Daimajin - What We Need is a Hero」)、ガラモンカネゴン「YouTube>泉麻人のウルトラ倶楽部、虹の卵・カネゴンの繭」「ニコニコ動画>ウルトラ怪獣お気に入りの誕生シーン 番外編1 金男くんの魅力とは?」)、レッドキング、、、などなどの怪獣です。あの怪獣フリークのなべやかんさん(「やかんの小部屋」)などにとってはたまらない展示内容でしょう。

こうしたいわゆるサブカルチャーともいえる作品展を、デパート内ではなく、公立の美術館で行うのは珍しいことだそうです。

ところで、それらの作者である高山良策(たかやま・りょうさく 大正6年、山梨県生まれ。高等小学校卒業後、上京し製本所で働き、独学で絵を制作。昭和40年頃より円谷プロで怪獣造形の仕事を任される。昭和57〔1982〕年没)について、私は知識を持ち合わせていませんでした。聞くところでは、一部には彼のファンが少なくないようです。

ただ、それらの怪獣ですが、実際のデザインを手がけたのは高山ではありません。原画デザインは彫刻家の成田亨が行いました。つまりは、それを元に、高山が実際の造形を行ったことになります。

高山は「練馬区の15畳ほどの小さなアトリエで300体ほどの怪獣を生み出した」そうです。“高山怪獣”の人気の秘密は、怪獣一体一体のリアルな皮膚表現にあるようで、そこからは、粘着気質の高山の性格が推測できる気がします(注:実際に粘着気質の持ち主だったかどうかは保証の限りではありません)。

最初の方で触れた音楽に当てはめていえば、いわゆる怪獣アートというのは、純粋アートとは対極に位置するサブカルチャーで、楽器でいえばヴァイオリンやピアノに対するドラムといったところでしょうか、ね?

ここでいつものように(?)話は脱線しますが、かの『ウルトラマン』「YouTube>初代ウルトラマン Ultraman Opening Titles, Japanese」)の中心的脚本家に金城哲夫という男がいます(※この『ウルトラマン』シリーズの脚本家の中からは、後の有名な脚本家、市川森一しんいちも誕生しています)。彼は姓からも推測できるように沖縄の出身でした。当時は「沖縄県」、ではなく、パスポートを必要とした時代です。

金城は『ウルトラマン』が子供たちの間で爆発的なヒットとなっていたときも、満たされない心のままでいました。あるいは、金城自身の中に「怪獣ドラマは2流。もっと“本物のドラマ”を手がけたい!」という思いがあったのかもしれません。

やがて、彼はその制作現場を離れ、本土復帰前の沖縄へ還っていきました。その後、地元に根ざした仕事をすることになりますが、夏の暑いある日、したたかに酔い潰れ自宅の外階段から転げ落ち、若くして命を落としています。それは事故死だったのか、それとも自殺だったのか。どちらとも取れる死に方だった(?)ようです。

カルチャーの中にそれとなくある“序列”。

それを無意識のうちに意識し(?)、それでもサブカルチャーの世界で制作を続けていくのは容易たやすいことではなさそうです。

高山は何かと怪獣によって注目されることが多いわけですが、その一方、シュールな絵画作品も数多く残しているそうです。しかしそれは、怪獣アートだけでは満たされない気持ちを絵画作品でというのではなく、怪獣アート自体もまた絵画制作と同等の意識を持って仕事に当たっていたということなのかもしれません。

【本日の豆自慢?】:私は『ウルトラQ』「ニコニコ動画>ウルトラQ オープニング」)シリーズ全てを収めたLD(=レーザー・ディスク)を所有していたりします。ちなみに、その番組のナレーションは、若き日の石坂浩二が担当していたのですよ。で、そのナレーションのバックに流れるオープニング音楽(→ MIDI)がこれまた良くて、一度聴いたら耳から離れないこと間違いない、ズォ!