鏡台山-妻女山 その1 2009.3.1
 3月1日(日)、第四次川中島合戦の時に武田別働隊が辿ったとも伝わる鏡台山から妻女山への戸神山脈を歩くことがひとつの夢でした。江戸後期の『甲越信戦録』には、武田別働隊の動きをこう記してあります。
 「武田方の妻女山夜討の面々は、子の刻に兵糧を遣い、子の半刻(月が隠れる午前1時頃)に海津を出べし。経路は西条の入より、唐木堂越(坂城日名の方へ出る道なり)に廻るべし。これより右手の森の平にかかり、大嵐の峰を通り、山を越えて妻女山の脇より攻め懸かるなり。この道は、甚だ難所なれども、ひそひそ声にて忍び松明を持ち、峰にかかり、谷に下り、あるいは山腹を横切り、次第に並ぶ軍勢これぞひとえに三上山を七巻き纏いしむかで(滋賀の伝説)の足卒苦して打ち通る。」


 文にある西条の唐木堂から坂城日名の方へ出る街道は、戸神山(三滝山)で倉科へ下る傍陽(そえひ)街道とも繋がります。明治時代には幅9尺の道があったと倉科村誌には記されています。三滝山が重要なポイントなのです。この峯を中心に戸神山脈経由、倉科の里経由で妻女山に攻め込むことが可能です。今回は、その長い尾根ルートを辿ってみました。そして、現在の地形図には山名表記もなく、登山道もない三滝山にも登ってみました。当日は、思いがけない春の雪の後でラッセルを強いられましたが、歴史を偲ぶ楽しい山行でした。カモシカとの出合いもありました。武田別働隊については、私の『第四次川中島合戦』啄木鳥戦法の検証をご一読ください。
■星印のある写真をクリックすると拡大します。

■今回のコース
林道白石千曲線入口(440m)--509m林道芝平樽滝線・三滝方面分岐--三滝--沢登り--林道芝平樽滝線(約850m)--県営林事業専用道路--作業道(百瀬)--山道--林道--藪こぎ--三滝山(1185m)--鏡台山倉科コース--鏡台山北峯(1267m)--鏡台山(1269.0m)--鏡台山北峯--鏡台山倉科コース--藪こぎ--三滝山(1185m)--藪こぎ--戸神山脈林道--杉山(大嵐山977.5m)--御姫山--深山(母袋山820.9m)--鞍骨山(鞍骨城跡798m)--天城山(694.6m)--斎場山(513m)--妻女山(411m)--会津比売神社--会津比売神社参道入口(351.6m)
■全行程:約7時間40分・休憩を含む 気温:2度〜8度 標高差:約920m
■登山地図にない経験者向きの長いコース。★二万五千分の一地形図のみでは不十分なルートです。今回は、googleマップ1/10000相当の地図に、航空写真から地図には未掲載の情報(新しい林道や植林地・自然林などの植生)も書き込んでプリントアウトし携帯しました。コンパスも必須です。
★季節によっては、熊・猪・スズメバチ・マムシ対策も。狩猟期は、沢にハンターが入ります。


●8:50 林道白石千曲線入口。前回も出合った散歩中の地元の人から花(節分草)を見に行くの?と聞かれました。今日は花より…。

●9:05 倉科三滝園地入口。半月前の山行は雪がなかったのですが。雪解けのためか途中の林道は落石だらけでした。案内看板の表記は、文章と図で一、二、三の滝の順序が上下逆になっています。どちらから数えても二の滝だけは同じですが(笑)。

●二の滝。
 
●遊歩道は二の滝の落ち口を渡ります。
「三瀧山岩の苔間に住ながら思ひくらせし瀧の水かな」(西行) 此歌里俗の口碑にして、確乎たらず。(倉科村誌)

●二の滝から見る一の滝。
 
●一の滝。この滝は、三滝川となり、森の沢山から流れる沢山川と合流し、千曲川に注ぎます。
「三瀧川は倉科村の三瀧山船ケ入に発源し御姫山より発する草山沢を合わせ倉科村を流るること一里三町にして沢山川に合す 三瀧一の瀧二の瀧三の瀧三階瀑布あり又南沢に樽瀧あり」(埴科郡誌)

●9:15 治助橋分岐。右の尾根の取り付きにトラロープが設置されました。急登続きの尾根です。私は沢をつめます。
 
何度か渓流を渡ります。

●最初の古い堰堤は、右岸から。
 
●沢は古い切り捨て間伐の倒木だらけ。

●倒木をくぐり抜けて。

●9:23 炭焼きの跡。

●帰路が長いのでスピードアップしたいところですが、雪に隠れた浮き石や窪みが怖いところ。
 
●9:28 右から沢が合流。このずっと上は縄文の名水。

●植林なのか自然に生えたのか、沢中の杉林。
 
●ここにも炭焼きの跡が二箇所。

●ニホンカモシカの足跡を追います。
 
●雪が深くなってきました。

●堰堤が見えました。
 
●9:41 堰堤。すぐ上流にもうひとつ新しい堰堤。左岸から。

●次の堰堤は右岸から。★堰堤全景

●積雪は30〜40センチ。中途半端な圧雪なので上部だけ固く、タイムラグをおいて足が沈むため疲れます。

●左上の林道芝平樽滝線にエスケープしたいところですが、百瀬の登り口が遠くなるので…。
 
●雪の少ない左岸の尾根を急登することにしました。しかし、滑ります。こんな急斜面でも間伐が行われています。

●最後はとんでもない急登と藪、除雪の雪をかき分けて登ると…。
 
●10:00 林道芝平樽滝線。百瀬への登り口が目の前です。

●県営林事業専用路から鏡台山への標識に沿って山道へ。
 
●百瀬の広大なヒノキ林に向かって登ります。

●倉科コース登山道のある尾根が見えます。
 
●ニホンカモシカの足跡を追います。

●10:28 林道三叉路へ。

●今回は正面の旧山道を登ります。

●8分で上の林道に出ます。
 
●10:40 右が鏡台山への登山道、サワグルミへの分岐ですが、今回は三滝山に登るため直進します。

●10:42 ニホンカモシカの足跡を追うと広場。右へ。
 
●植林帯中の作業道を登ります。

●作業道はサワグルミの谷の上部へと続いていますが…。左の植林帯が切れた先で左へ登ります。
 
●三滝山は、この上のはずです。雪の積もった笹藪をラッセルしながら南東へ登ります。積雪は40〜50センチ。膝上まで沈む場所も。

●10:55 三滝山(三瀧山)1185m。なにも目印がない山頂です。
 
●山頂から進路を南南西に変えて尾根の高みを進みます。前方に見える尾根に倉科コースの登山道があるはず。

●11:06 左右に伸びる窪みが見えました。倉科コース登山道。

●バージンスノーの登山道。

●唐松の枝についた霧氷。
 
●霧氷のついた枝の乱舞。ここで倉科の側から鉄砲の音が二発しました。猪狩りは既に禁猟期です。違反狩猟です。

●幻想的な唐松の霧氷。
 
●11:19 鏡台山北峯(1267m)。通過。

●北峯から南峯へは急下降。駆け下りました。最後は勢いがつきすぎて雪原にダイブしそうになりました。
 
●天狗の腰掛け松とでもいいましょうか、ちょうど腰掛けるのに具合のいい曲がり具合。

●ニホンカモシカの足跡さえありません。積雪は30センチほど。
 
●陽が差してきました。
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