奈良本から明王峠へ きのこ狩り 2001.11.11
 次男のお多福風邪もやっと治り、今回は男三人でトレッキング。母親は着物を着て友人の披露宴へ。今年は10月に雨が少なかったせいか、ここまでキノコ狩りは全くだめでした。先週末の雨で絶対キノコが出ているぞとにらんだ私は、母親がクリスマスのクラフト教室で使う山桜の枝の収集を口実に、息子二人をアシスタントに従え中央高速を相模湖へと走らせたのでした。
 そんなわけで今回は、登山よりも採集が目的。相模湖畔の吉野の奈良本から633メートルの矢の音まで行き、相模湖駅横の与瀬神社への道を、途中の大平小屋から貝沢へと下るルートをとることにしました。この道は登山地図には載っていませんが、中央高速の下に出て、横橋の集落を山沿いに20分ほど歩くと車に戻ることができるはず。
 このあたりは何度も来てるので土地勘もあり、自分の庭みたいなものです。ところが…
 さて、キノコの方は予想が見事に的中、待望のムラサキシメジが採れました。埃臭いという人がいるらしいが、これが山の香りというもの。そういう人は食べなければいいのです。もっとも、落ち葉に隠れているキノコなので、普通の人にはなかなか見つけられないキノコですが。
●6時起床。いつも通り三合のごはんをおかか梅おにぎりにしてもらい6時40分には出発。昨日の雨はすっかりあがり、うっすらと富士山も見えました。ところが小仏トンネルを抜けると一面の霧。なんにも見えません。
 まず藤野へ行き、無人販売の乾燥椎茸を買うために陣馬登山口方面に向かいました。ここの椎茸は、おが屑で育てたものとは違い不揃いですが、出汁をとると本当に香り豊かでおいしい。一袋300円のを3つ買いました。
●7時40分吉野の登山口に到着。少し離れたところに駐車し、7時53分出発。眼下の相模湖は霧に隠れていました。

●7:55 奈良本の登山口。登山地図には、浄光寺を巻いて広い林道を行く道が載っているが長くて単調、こちらの方が急だが森の中のルートなので気持がいい。さあ出発だ。

●8:20 霧に包まれた寒い杉林を歩きます。登りはじめがきつい。この先の曲がり角を過ぎると気持のいい広葉樹林になります。キノコはどこだ。キノコの目にならないと見つからないよ。

●こんなところじゃ絶対分からないよという場所で長男がムラサキシメジを発見! どうですかこの美しい藤色。焦茶色ばかりの濡れ落ち葉の中にたたずむ乙女というところでしょうか。乙女は生で食べると中毒します。要加熱。おまけに乙女はお腹にウジ虫を飼っていることがあります。写真をクリックすると大きくなります。

●9:00 ヒメキクラゲ属のタマキクラゲ。ゼラチン質でプニョプニョしています。あちこちで大量発生していました。食用と書いてある本もありますが、普通は食べませんね。基本的にキクラゲに毒のあるものは無いようですが、クロハナビラニカワタケに似たクロハナビラタケは、毒なので要注意。

●9:10 ん?サクラシメジ(アカンボウ)かと思ったら長男が「ドクベニタケだよ。すごく辛いんだ」と食べたことがあるようなことをいう。虫に食われてるぞ。まあ辛いのが好きな虫もいるかもね、と結局同定できずに見るだけに。

●9:15 キツネノチャブクロ発見。これは幼菌なのでみそ汁に入れたりして食べます。子どもの頃は、これを爆弾といって友だちに投げつけて遊んだ。胞子が飛び散っておもしろい。英語ではパフボールというらしい。同じホコリタケの仲間ではオニフスベが有名です。

●尾根道を歩く。こんなところにキノコがニョキニョキ生えていたらいいのになあ。

●キノコを求めて森の中をかき分けかき分け進むのだ。無いねえ。

丹沢山塊と違い、陣馬周辺には鹿がいないか少ないので、ヤマビルはいないのですが、ここ吉野にはいます。幸い今まで一度も取り付かれていませんが、登山道で何度も目撃しています。ここは近隣の人の犬の散歩道になっているようですが、それと何か関係があるのでしょうか。ヤマビルは鹿の糞につくので、日本鹿の分布と重なるそうです。対策はストッキングをはきヤマビル用のスプレーをかけるか、硫酸ニコチンを塗る、メンタムを塗るなどです。

●9:20 オ〜ット!また長男がムラサキシメジを見つけた。菌輪を描いて生えることが多く、輪になって大量に見つかることも多い。昨日の雨で枯れ葉がべっとりと張り付いています。掃除がたいへんだ。でもうれしい。でも毎年採れるワケじゃないんだなあ。キノコは…。
●9:25 湿った登山道でよく見かける脚の長いクモのような虫です。
SPIDER DATAという蜘蛛のサイトに聞いてみました。池田さんという方からこれは蜘蛛ではなくて、ザトウムシ(座頭虫)だとメールをいただきました。80種類もいるそうです。

●9:30 またまたムラサキシメジを発見。キノコの目になってきた。でも、うれしそうに指さす君の右足の下で、大きなムラサキシメジが踏んづけられてグチャグチャになっているではないか。あ〜もったいない。でもうれしい。すごい藪を抜けないと行けない場所なので、見つけられなかったのかな。霧も晴れてきたぞ。

●10:00 矢の音への尾根道で。向こう右に見えるのが、633メートル矢の音のピーク。結局ムラサキシメジは大小あわせて15本ほど取れました。クラフトに使う山桜の枝も拾って出発。9時50分にいつもの倍かかって林道に出ました。矢の音までは普通に歩けば30分ほど。矢の音には、明王峠の石投げ地蔵に由来する頭の欠けた振り袖を着た少女の地蔵があるらしい。

●10:40 矢の音への藪の道が突然開けました。陣馬山が見える。
写真をクリックすると大きくなります。

●10:45 クリタケの幼菌。おしい、あと1週間もあればりっぱな株になっているのに。キノコは気まぐれだからねえ。

●11:50 矢の音の雑木林の斜面。木漏れ日に落ち葉の絨毯が美しい。枯れ葉の匂いが鼻をくすぐる。あ〜いい匂いだ。このタペストリーの下に、いろんな虫やら蜘蛛やらダニやら、は虫類やらがた〜くさん生きているのです。長男が作文に、落ち葉は虫のふとんなのだ、と書いていました。そのとおりだなあ。写真をクリックすると大きくなります。

●11:00 アラゲキクラゲ。矢の音のピークで初めて他の登山者に会う。まあ、えらいわねえボクいくつ?6サイ。まあ、まだ学校行ってないの。将来は登山家ね。バイバイ。…おまえ7歳だろ。こないだ誕生日したじゃないか。学校行ってるじゃねえか。アッショウカ。なんて言ってると、父さんアラゲキクラゲ!と長男が耳打ちする。コリコリしてうまいんだ。
写真をクリックすると大きくなります。背景の色がきれい。

●11:10 結局矢の音だけじゃ山に登った気がしないということで明王峠まで行くことにしました。茶店のおばさんにムラサキシメジ採ったことも教えたいし。尾根道は陽が当たって気持いい。右手に景信山や小仏城山が見える。10分ほどで林道に出る。

●11:15 振り返れば小仏城山。山の向こうは東京都です。下に中央高速の小仏トンネルの入口が見える。あと20分で明王峠だ。

●11:25 石投げ地蔵で供養とお参り。なにをお祈りしてるのかな。サッカーがうまくなりますようにかな。
この石投げ地蔵については、詳しく調べて載せているサイトがあります。「高尾山案内図」の麦わらぼうしさんです。興味を持った方はのぞいてみてください。写真をクリックで説明板が読めます。

●11:30 登山道の階段にニガクリタケ。これで軽く10人は死ぬな。テロリストがこいつを知らないといいなあ。苦くて食えたもんじゃないが、間違って佃煮など濃い味付けにして食べてしまったらえらいことになります。春夏秋どこにでもあるキノコなので要注意。クリタケと間違えないように。クリックで拡大。

●12:35 明王峠到着。おかか梅おにぎりに、インスタントの豚汁とアサリ汁。父さんはビール。これが飲みたくて明王峠まで行こうと言ったのだ。アサツキと味噌がつく。茶店のおばさんが次男に気づいて中から手を振る。次男も気づいて手を振る。アメをもらう。どうしておばさんはいつも飴を持っているんだろう。

●12:00 明王峠のおばさんにムラサキシメジを見せて、さあ出発だ。この茶店はけんちん汁と酒まんじゅうがおいしいよ。うちの隣にいた吉川さんのおじさんもおじさんやおばさんと知り合いで、ここでお酒を飲み過ぎて、べろべろに酔って、どうやって相模湖まで降りていったか覚えていないことがあったんだって。ハハハ。
●12:10 明王峠を出発。茶店前の斜面も登山者でいっぱい。春は桜、秋は紅葉、冬も雪景色がきれい。朝方の霧も晴れて眼下には相模湖の水面がキラキラと秋の陽に揺らめいていました。ここは陣馬山から景信山や高尾山への中継点。中高年だけでなく子ども連れや若いお姉さんも多い。けんちん汁がおすすめ。
●12:40 相模湖駅への登山道でなにかの幼菌を見つけた。なんだろう。不明。次男がイクラタケと命名。後で調べたところ、マメホコリという変形菌(粘菌)の一種だと分かりました。

●大平小屋の分岐。左の与瀬神社へ下る道を行かずに、小屋裏から、右に貝沢という谷へ下るルートをとりました。登山地図には載っていない細い道です。おばさん達が不思議そうに見送っていました。

●谷への道すがら咲いていた野草。なんという花かな。シソ科のカメバヒキオコシかな、ヤマハッカかな。

●13:10 明るい急斜面をジグザグに谷へと降りていくと昨日の雨であちこちから水が流れ出ていました。長男が野糞の後、道ばたで中が空洞のスポンジ状の不可思議な物体を拾いました。博士によるとスッポンタケの頭の部分(グレバ)がとれたやつだとか。何とも言えない悪臭を放っていました。ハエがとまって胞子を運ぶそう。欧米では「悪臭を放つ露出狂」と言われているそうだ。属名phallusは男根という意味。洗って湯がいて中華のスープの具に使う。悪臭で気絶しそうな長男に持たせてパチリ。

●13:30 両側から渓流が合流している地点で、道が川の中に消えています。なんてこったい。斜めに戻る道があったので戻るが、渡れるところは無い。あちゃ〜。直径1メートルもの倒木で向こう側は見えない。川は昨日の雨で増水している。何とか川を渡り向こうを見ると道が続いている。藪を刈り、川を子ども達が渡れるように大きな石を集めさせる。長男が大きな石を投げ込んで、向こう側にいた私はびしょ濡れになる…。本人は置いた石の上ではなく、川の中に足をつっこみびしょ濡れになる…。ヤレヤレ

●13:40 巨大な倒木の上。苔むしていて神秘的で何とも美しい。乗り越えようとして思わず見とれる。森のこびとコロボックルやトロルの世界だな。写真をクリックすると大きくなります。
●13:40 やっと倒木を乗りこえました。おかげで子供達もどろだらけ。でも帰ってから何が一番おもしろかった?と聞くと、この丸太越えとこたえがかえってきました。
●13:50 広い林道に出ました。
●14:00 やっと甲州街道。中央高速をくぐり、山沿いの集落の道を歩きます。
●14:20 山裾の道を20分ほどで車に到着。

●今回収穫したムラサキシメジ。塩水に浸けながら爪楊枝でていねいに掃除をします。小さなウジ虫を3匹発見。天然のキノコはたいてい虫が居るものです。田舎ではウジ虫ごと食べていました…。でも、虫が食べていれば人間も食べられると思うのは間違いです。ムラサキシメジも生食するとあたります。

●ムラサキシメジは、本当においしい出汁が出ます。キノコの風味を損なわない豆腐と一緒に煮ます。栽培キノコでは決して味わえない、秋の森を食べている気分にさせてくれるキノコです。次はパスタにあえて食べてみたいと思います。
●中央高速を相模湖で降り、吉野を奈良本へ登る。
●バスなら、藤野駅から相模湖行きで吉野で降り、奈良本の登山口まで歩いて15分。

●奈良本登山口〜矢の音=普通なら1時間30分ぐらい。
今回はキノコ探しのため3時間もかかった。

●矢の音〜明王峠=35分

●明王峠〜大平小屋=40分

●大平小屋〜貝沢経由奈良本=1時間10分
MORI MORI KIDS ■MORI MORI KIDS Nature Photograph GalleryI ■CAPINO CAPINO(C) in Tokyo Japan since 08.04.2003
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