伊賀筑後オレゴン

『伊賀筑後オレゴン種』は、 三重県の伊賀上野市に農林省の関西試験場で、筑後平野で作っている小麦と、アメリカ西部のオレゴン州の小麦を交配して作った硬質小麦です。日本の小麦は、軟質小麦。アメリカのオレゴン種はグルテンが多い硬質小麦です。この二つを交配して作られたのが伊賀筑後オレゴン種です。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。この辺りは、かつては水田の米麦二毛作が多く、雨が少ないため、この品種の作付けに適していました。
大正時代から昭和40年ぐらいまで盛んに作られて、日本で一番うまいうどん粉といわれていました。うどん好きのお祖父ちゃんがいたら聞いてみてください。戦前、東京のうどん屋さんで一番、喜ばれたのが、この伊賀筑後オレゴン種でした。今は収量が少ないということで、一般に売られることはなく、わずかに自家用に作られているだけです。今回、信州上田のある方から伊賀筑後オレゴンをいただいたので、早速手打ちうどんを作ってみました。写真でお分かりいただけるように、かなり色の黒いうどんで、香りが強く、粘りがあり、味も濃いのが特徴です。ダンナさんは、子供の頃家で食べていたうどんの味だと感慨深げでした。ただ粘りはあるのですが、コシが出にくく、かなり踏み込まないとしっかりしたコシは出ません。また、包みおおやきにするとなかなかまとまらず、苦労したと義母は言っていました。でも、この粉には独特の甘みがあり、一度食べた人は、その味が忘れられなくなるそうです。
 MARINE GOURMET  CAPINO