蕎麦だけじゃない。寒い信州の夜には熱々のおしぼりうどんが一番!

 今回のマリングルメは、信州北部(埴科・更級)の伝統料理「おしぼりうどん」を紹介します。「おしぼりうどん」とは、あつあつの手打ちうどんを、辛味ダイコンや中国ダイコンをすりおろした汁に信州みそを溶いて作ったつゆにつけて食べる料理です。寒い冬、こたつにあたりながら食べる「おしぼりうどん」の味は格別です。

Recipe,Illustration:Mari H  Photo:Mori H

右の緑色が中国ダイコン。左の白いのが辛味ダイコン。信州には色々な種類の辛味ダイコンがあります。いろいろ調べると大昔の蕎麦の食べ方の原点がここにあるそうで、日本全国の蕎麦通から注文があるそうです。東京で売っている青首大根で作っても水っぽいだけでぜんぜん美味しくないのでダメなんですよ。
*辛味ダイコンは、最近東京でも買えるようになりました。中国ダイコンはビタミンダイコンともいいますが、東京では見かけませんね。
●手打ちうどんの材料(約4人前):中力粉:オレゴン・ゆめせいき、またはホームランなど
●おしぼり(付け汁)(約4人前):辛味ダイコン(ねずみダイコンなど)1本と中国ダイコン(江都青長)1本 信州みそ大さじ4杯(1人大さじ1ほど) 
薬味:長ネギ 花鰹 海苔(好みで入れる)

●NOTE●辛味ダイコン(写真左は松代の地大根)は、ツーンと鼻に抜ける辛さが心地よい地ダイコンです。信州の辛味大根では、ねずみ大根(中之条ダイコン)が有名です。ねずみというのは、信州の真田十万国、上田の北の坂城町に、実際にそういう地名があるのです。鼠の形に似ているからでもあります。信州の辛味大根には他に戸隠地大根、灰原辛味大根、親田辛味大根などがあります。地方により形も変わります。地大根には、そもそも辛味があるのですが、甘みも青首大根の倍以上あります。
 写真右の青大根、別名中国ダイコン(江都青長)は、甘みの大変強いおろし(生食)専門のダイコンです。原産地は中国です。

 この2種類のダイコンのブレンドの具合は好みによります。子どもは中国ダイコンのみ、主人はほとんど辛味ダイコン。私はその中間という配合です。辛味ダイコンに長ネギを入れたつゆは、むせるほど辛いのです。流通量は多くありませんが、冬の北信州では普通に売られているダイコンです。

いいかげんなように見えて実は良い加減なんですよね。
●うどんを作る1適量の粉をボールに入れて適量の水を入れてこねます。私は100グラムの粉に45ccの水でこねますが(煮込みうどんの時は40cc)、うどんをこね始めて50ン年の義母はホントに適量の粉に蛇口から入れる水で適量に水を入れて、ちょうどいい堅さにこね上げます。一度計らずにそのようにやってみたことがありましたが、失敗しました。さすがです。

●NOTE●粉は、マリングルメではおなじみのオレゴンかゆめせいき(柄木田製粉)、または、ホームラン(日穀製粉)です。味風味ともにほかの物では事足りず、10年以上この粉以外使っていません。私は長野に行くときに必ず買いだめしたり頂いたりします。JA松代などで買うことができます。
 オレゴやホームランは、世界70カ国からの輸入小麦粉を厳選したものだそうです。御嶽(地粉シラネ小麦粉)など日本産の本当の地粉もあります。また、幻の伊賀筑後オレゴンでいただくおしぼりうどんは最高です。

製麺機ってカンジでしょう?こんなものが家庭にあるってのもすごいですよね。もちろん手打ちでもいいんですよ。
●うどんを作る2粉がまとまったところで、ボールでこねます。おしぼりうどんの時は足で踏みません。こしが強すぎるうどんはおしぼりには合わないからです。
まとまったら小野式の製麺機にかけて麺を作ります。ひとつにまとまった粉を5つほどに分けて、ひとかたまりにつき5〜8回ほどかけて平たく伸します。おしぼりうどんはのどごしが大事なので、あまり太くしません。またこしが有りすぎるうどんも適していません。その加減がまた難しいのです。


●NOTE●わが家では長年イタリア製のパスタマシーンを使っていましたが、この度実家の小野式の製麺機を譲り受けました。業務用で、鋳物製のがんじょうなものです。ダンナさんと義父母は長野の吉沢金物店(026-243-1489)まで新しい製麺機を買いに行きました。この機械を製造しているのは、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所です。埼玉、群馬もうどんの盛んな所です。

切っても中まで緑の不思議なダイコンです。美味しいんですよ。煮たら不味いんです。生食のみです。北信州で売られています。
●つゆを作る大きな鍋に湯を沸かしてる間に、「おしぼり」の支度をします。中国ダイコン1本と辛味ダイコン(ねずみダイコン)1本をジューサーにかけます。
絞り汁をお椀に分けます。2種類のブレンドは各人の好みです。辛いのが好きな人は、辛みダイコンだけでもいいですよ。


●NOTE●昔は大根おろしでおろして、手で絞ったそうです。そこから「おしぼり」の名が付いたそうです。冬の名物料理なので、寒い台所でたくさんの家族分「おしぼり」を作るのは、嫁として大変つらかったと義母が話してました。ジューサーなんて無い時代ですからね。
 特にねずみダイコンは、水分の含有量が少ないので、人数分を作るのは大変なことなのです。

たっぷりのお湯で泳がせるように。粉の良い香りがします。
●うどんを作る3お湯が沸いたところで、製麺機で作った麺をぱらぱらと入れ、お箸でよくかき混ぜます。芯がほぼ無くなったところで茹で上がりです。釜揚げうどんなので、水でしめることはしません。

●NOTE●くっつかないように茹でるのがこつです。また蒸すようにゆであげるのも美味しく茹でるこつだそうです。麺のゆで具合も、人の好みがそれぞれあります。ウチは子供達もやや堅めが好きですね。

おしぼりうどん大好き。僕は2杯お兄ちゃんは3バイ食べたよ。
●うどんを食べる:お椀一杯のおろし汁に大さじ1杯ほどのみそを溶き、好みで薬味の長ネギ、花鰹、海苔を入れていただきます。長ネギは辛味を増しますし、みそと花鰹、海苔はまろやかにします。大根には消化酵素のジアスターゼが豊富。食べても食べてもどんどん消化してしまい、すぐにお腹がすいちゃうのが、子どもたちの悩みの種だそうです。

●NOTE●北信州には、おしぼりうどんを食べさせてくれるお店が何軒かあります。北信州に冬行かれたらぜひ食べてみてください。東京でも信州郷土料理のお店で出すところがあるそうです。ただし、お店で出されるのは、辛味ダイコンのみで、青ダイコンを出すところは、知っている限りではないようです。ちなみにわが家では年越し蕎麦もおしぼりでいただきます。

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地大根の爺ちゃん漬け

 信州でごちそうになったお漬け物のひとつです。義父が漬けるので子どもたちと「爺ちゃん漬け」と命名。口当たりよく飽きがこない。大根半本くらい平気で食べてしまうので、野菜不足も解消されます。できれば大根は青首ではなく、美味しい地大根を使ってください。

1.
大根を縦1/2切りにして切り目を上にして大根の量の3%の塩をまぶす。重しをして水が出るのを待つ。(3日ほどかかる)
2.
大根を取り出して別の樽に並べ、大根10キログラムに対して酢1.8リットル、和からし粉300グラムから400グラム、砂糖500グラムを混ぜたものを流し入れ重しをする。少なく漬けるときは、上の割合で分量を減らしてください。
3.
3日目ぐらいから美味しく食べられます。1週間ぐらいでちゃんと漬かります。

●酢、からし、砂糖ともに防腐剤の役目をしますので、長持ちします。
 お漬け物の中では塩分が少ない方なので、たくさん食べても体にやさしいお漬け物です。
 カンタンに作れるので、みなさんもいかがですか?
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