美味しくて体にもいい長芋。鰯のつみれうどんと蒸しケーキに。

 わが家の場合、11月の木枯らしが吹き始めると、長芋の季節となります。信州の義父が毎年たっぷりの長芋を送ってくれるので、心おきなく味わうことが出来ます。美味しいだけでなく体にもとても良い食材のようで、最近テレビや雑誌などでも長芋の効能を良く耳にします。「パワフルで元気!」を自他共に認めるわが家。元気の秘密はここにあるのかもしれません。
 今回は長芋なしでは出来ない、「鰯のつみれ入りうどん」をご紹介します。寒い夜には体も心も温まる長芋料理はいかがですか?

Recipe,Illustration:Mari H  Photo:Mori H


微妙な水の量は経験が要りますね。義母なんてテキトーでもうまくいきます。さすがです。小麦粉は、スパーなどにある少量のものは粉が風邪をひいていて風味がありません。3キロ入りを使います。

●手打ちうどんの材料(6〜8人前):中力粉800グラム日穀製粉のホームランか柄木田製粉のオレゴン)
水320cc、塩少々。
中力粉をボールに入れ、分量の水に塩を溶かして粉に混ぜる。蕎麦打ちと同様に、粉と水を馴染ませる。いきなり練り込むと斑(まだら)になります。写真のようになったら捏(こ)ねに入ります。水も粉も後で足すのは難しい。きちんと測った方が早くうまくいきます。

●NOTE●粉100グラムに対して、水40ccが基準。その日の湿度や粉の状態により調整しますが、水が多すぎるのは最悪で、ゆで上がりのうどんが水っぽくて変に堅くなります。(讃岐うどんは水でしめるので50cc)


うどん踏み5年と言うかどうかは知りませんが、彼はもう5年以上うどんを踏み続けているので、いっちょまえです。お兄ちゃんは、もう8年は踏んでいるのでベテランの域に達しています。うちの製麺機は2代目、イタリア製ですが、田舎では小野式の大きなものを使っています。もちろん本格的に麺棒でうってもいいんですよ。

うどんを作るある程度ボールの中で練り込んだ後は30分ほどねかせ、ビニール袋に入れて足で踏みます。わが家ではお米の袋を使いますが、丈夫なものでないと破れてひどいことになります。平らになったら畳んで、また踏みます。7、8回繰り返して、乙女の肌のようにつやつやしたらできあがりです。うどんの料理法によって踏む時間、回数は変わります。北信州名物「おしぼりうどん」の時は柔らかめ、煮込みうどんの時は、しっかり踏み込みます。 踏み終えたらねかします。
ゆでる直前に伸して、うどんにします。

●NOTE●がんがん踏んではいけません。にじにじとやさしく踏まなければ、グルテンばかり出て、別の食べ物になってしまいます。こしがあればいいというものではありません。地粉の旨味をうまく引き出してやらなければならないのです。


鯨の皮で出汁をとる「くじらうどん」もわが家の名物です。ご存じですか。わが家の冷凍庫にはいつも常備されてます。

●うどんの出汁今回は鰯のつみれをのせるので、煮干しの出汁です。陣馬山で買ってきた美味しい干し椎茸と、日高昆布、それと丸みを出すために小アジの煮干しも使います。これを煮立てるのではなく、水に半日浸けてじわじわ出汁をとります。最後に煮立てて、酒、みりん、醤油、天然塩で味を調えます。今回は、ここに無添加の早漬け一番が少し入ります。

●NOTE●陣馬山の登山口の少し手前の無人販売で売っている原木栽培の干し椎茸は、形は悪いのですが味は絶品です。おが屑と機械乾燥で作られたものとは雲泥の差です。小アジの煮干しは、丸い味になります。小鯛の煮干しは力のある贅沢な味、飛び魚の煮干し(アゴダシ)はかなり強い深みのある出汁がとれます。カレーうどんにはナンプラーを入れると美味しいんですよ(ダンナさんのアレンジです)。


長ネギも信州の冬の地物は中に透明な部分があって甘いんです。

●鰯のつみれの材料(約4人分)鰯3匹、長芋20センチ位、ニンジン2本、ゴボウ20センチ、長ネギ1本、ひじきお椀1杯、すりごま適量、信州味噌大さじ3〜4杯、生姜、日本酒、片栗粉、炒め油少々。写真にはありませんが、卵も味を良くするのに大切な材料です。1個で充分です。

●NOTE●鰯は、目のきれいなお刺身にできるぐらいのものを買ってください。真鰯が不良で、高いのが残念ですが、活きがいい背黒鰯を丸ごと使ってもいいですよ。ゴマも義父が作ってくれるのでここ数年買ってません。長芋はもちろん信州松代産が一番です。長芋好きの友人もちょっとびっくりした美味しさです。


カメラ目線はいいから、ちゃんとすり鉢を持ってろい!

1.3枚に開いて掃除をした鰯を刻んでフードプロセッサーにかけます。小骨も気にならないよう更にすり鉢で当たります。ここで手間をかけるとふんわりした口あたりになります。粘りが出てくるのでけっこう力が必要です。上腕を鍛えれば、腕を活かしたサッカーが出来るようになる! がんばれ!

●NOTE●NHK朝ドラの「ほんまもん」でごますり3年とか言ってましたネ。すりこぎはちょっとコツが要りますね。何事も習うより慣れろ。すり鉢であたるとミルサーでは出ない風味や味が引き出せます。するのも洗うのも正直言ってめんどくさいのですが、その味ほしさに、すり鉢を出してきます。


ぬるぬるの長芋をするのはたいへん。でもがんばります。

2.鰯に長芋をすり入れます。そして味噌を入れへらでよく混ぜ合わせます。

●NOTE●粘りが出た鰯に、粘りのきいた長いもを入れたところに味噌を馴染ませるのは、ちょ〜っと大変。アセらずていねいに混ぜていかないと、味噌が固まったり鰯がかたよったりします。技術はいらないけど、根気のいるお料理です。でも、時間と手間をかけたスローフードはそれだけの美味しさがありますからね。

なんて言うと、エライことに聞こえるけど、単に美味しいものが食べたいだけなのさ!

 


油は少な目に。これだけでも美味しい一品になりそう。

3.ゴボウ、ニンジン、ひじきを炒めます。しんなりしてきたら、さっとお醤油を入れて良く炒め混ぜます。

●NOTE●生のまま鰯などと混ぜてしまうと、鰯の部分は火が通ってるのに野菜が生、野菜は柔らかいけど、鰯が堅くなっちゃうということになります。そんなことを防ぐために、炒めておきます。ここで少しだけお醤油で味を付けておくと、周りに付く鰯とのなじみが良くなり、よりいっそう美味しくなります。


これだけ入るんだから栄養のバランスが良いおかずですよね。

4.味噌と長芋が入った鰯に、炒めたひじきと刻んだ長ネギ、スリゴマ、卵、おろし生姜を入れよく混ぜ合わせます。混ぜた感じの緩さでつなぎの片栗粉を入れる量が決まってきます。170度くらいの油の中に、大さじですくって 小さめの卵ぐらいの大きさにして、ぽとんと落として、油で揚げていきます。

●NOTE●揚げるときのタネの形なんて気にしなくてイイんです。むしろちょろっと出たネズミのしっぽみたいな部分が、カリッと香ばしくて美味しかったりするんです。父さんは揚げたてをつまみにいっぱいやったりします。


5.釜揚げうどんをお椀に入れ、出汁をはり、貝割れをあしらってできあがりです。信州のおじいちゃん手作りの七味唐辛子をふっていただきます。

●NOTE●好みと季節によって、シソの葉や海苔に挟んで揚げても美味しいです。たくさん揚げておいて、翌日鰻のたれにからめて、どんぶりにしたり、そうすると冷めても美味しいので、お弁当のおかずにも向いてます。どうせ手間をかけるのだから、一気にたくさん作って、色々楽しみたいですね。冷凍保存も利きます。が、やっぱ2〜3日で食べちゃった方が、美味しくいただけますね。
●おいしいなあ!
うどんは消化が良いんで、たくさん食べてもすぐにお腹が空いて、寝しなにまた食べたりしてます。大きくなるわけですよね。
 わが家の長芋のオリジナル料理は、まだまだあります。 中でも長芋のパンケーキは、家族みんなが大好き。長芋お椀1杯に卵1個、ハーブ塩で味をつけて、チーズやベーコンを刻み入れ、フライパンにオリーブオイルをたっぷりめに、両面がカリカリになるように焼きます。海老や蟹を入れて中華風に、ネギと味噌で和風出汁を入れても美味しいんですよ。ちょっと邪道でとろろ入りラーメンもいけます。

 高級和菓子に「上用饅頭」というのがあるのをご存じでしょうか?真っ白なお饅頭ですが、材料に長芋を使ってるんです。そんなお菓子からヒントを得て、私はずっと庶民的な蒸しケーキを作ってみました。控えめな甘さの長芋の生地の中に混ぜ込んだ甘納豆が利いてます。栄養満点な長芋をたっぷり使ってるので子どもやお年寄りのおやつにピッタリです。むっちりした食感もクセになる、「長芋の蒸しケーキ」どうぞお試しください。
Recipe,Illustration:Mari H  Photo:Mori H


「だんご粉」の商品名の米粉はいつも長野で買ってきます。需要があるのか、長野の方が種類も1袋分の量も豊富で割安で売っています。

●材料大(20Bのパウンド型1個分):長芋200グラム、米粉200グラム、卵白2個分牛乳120cc、砂糖100グラム、甘納豆適量

●NOTE●お砂糖は今回白糖より風味とミネラル豊富な「さとうきび糖」を使いました。
甘納豆の他に煎ったクルミなど、ナッツ系のものを入れても美味しい。
すあまとかお団子など、もともと米粉の味が大好きなので、子供のためとか言いながら、自分が一番食べたかったりします。


メレンゲを作ってる(左)さとうきび糖は、かなりの色と黒砂糖に煮た独特の香りがあります。

1.お砂糖を2回に分けながら加えて卵白を固く泡立てます。角が立つぐらい泡立てたら、すり下ろした長いもを加え良く混ぜ合わせます。

●NOTE●長芋とメレンゲは混ざりにくいので、へらなどで良く混ぜ合わせてください。
以前、めんどぐさがって泡立て器で混ぜ合わせたところ、見る見るうちにメレンゲとトロロが泡立て部分から伝わって上がってきて機械の中に入ってしまい、よけいな仕事を増やした経験があります。何事も、めんどぐさがっちゃいけませんネ。


こんな風にダマになってる間はまだまだです。なめらかになるまでがんばって!

2.長芋とメレンゲが良く混ざったところに、米粉を混ぜ合わせます。
牛乳も少しづつ入れ、ダマにならないように混ぜあわせます。

●NOTE●洋菓子のスポンジなどは粉をさっくり混ぜますが、このお菓子は、もっちりした食感が特徴なので、良く混ぜ合わせてください。

ここまで混ぜ合わせるとなかなかの重たさになってなってきます。ご主人や子どもにボールを抑えて手もらうとやりやすいでしょう。
一緒に作るとよりいっそう美味しくなるしね。


パウンドケーキのレーズンなんかと同じですね。好きな人はたくさん入れてください。

3.粉が良く混ざったところで甘納豆を入れ、かたよらないように、良く混ぜます。

●NOTE●今回は金時豆と黒豆の甘納豆を入れました。お砂糖がさとうきび糖なのでかなり色が付いてますが、白糖にして白い生地を作り、ウグイス豆など入れると、白い美しい仕上がりになります。
栗の甘納豆なんかを入れると高級感が出ますね。


取り出すときに湯気で火傷しないように気をつけて! このまま冷めるのを待った方がいいかもね。

4.型に薄く油を引いて、生地を流し込みます。
大きめのお鍋を用意して、時間をかけて蒸し上げます。30分は待ってみましょう。
真ん中に串など刺して、何も付いてこなければ蒸し上がりです。

●NOTE●蒸し器はたくさんの水は入れられません。が、長時間かけて蒸し上げるので、お鍋が空焚きにならないように、気をつけてください。蒸し上がるまで、気持と目を離さないようにしてくださいね。

5.火傷をしないように室温まで冷めるのを待って、型から取り出してください。1.5センチぐらい、やや厚めに切って、むっちりとした食感を楽しんでください。

●NOTE●甘み控えめなので、おやつに食べても、ごはんにさほど障りません。ウチなんか「少し障って!」って思うぐらいなんですがね、おやつを食べても何事もなかったように夕飯もちゃんと食べます。

冷蔵庫で、2〜3日は保存可能です。冷たくなったのをちょっとあぶってから食べても香ばしくて美味しいですよ。

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