
南米の教会の研究をしているという日本人の大学の先生と知り合った。タクシー代を5分の1だけ払ってくれればいいから一緒に行かないかということで、チチカカ湖の聖地、コパカバーナまで日帰りで行くことになった。チチカカ湖までは約160キロ。4000メートル以上の高地を、一日中走り続けられる車でなければならない。故障して立ち往生したら悲惨なことになる。
私たちがチャーターしたのは、古い日産のサニーだった。私たちは日本車の性能に賭け、ラパスの上に広がる大平原をチチカカ湖目指して走り始めた。ある橋にさしかかると、インディヘナたちがデモをしていて通れない。迂回路は無さそうだし、どうするのかと思っていると、運転手は浅いところを探して車で渡るという。川幅は30m位はある。川に入るとき運転手は十字を切った。5分後、私たちは日本の技術力に感謝した。
ギアを入れ、だんだん上げてゆき、トップギアにする。アクセルはふかしっぱなしなのに、しばらくするとスピードが徐々に落ちてきて、歩くほどの速度になってしまう。するとまた、ファーストギアから入れ直す。その繰り返しが延々と続く。どうにも空気が薄いのだ。
途中、チチカカ湖畔のバルサ・デ・トトラという葦舟の飾ってある、どう見てもバラックにしか見えないレストランに寄った。あるのは名物だというマスのソテーの定食だけ。大きな皿にマスのソテー、フライドポテト、ミックスベジタブルにサラダとライスがのってきた。かなりのボリュームだったが、ペロリと平らげた。マスは、元々この湖にはいない魚で、北米からもってきて養殖した後、放流されて増えたものだそうだ。条件が合うのか1メートル以上にも育つそうだ。
|