自然は厳しい

12月3日(水)

発眼卵の観察(三週目)


季節はずれの台風21号の接近により、丹沢にもかなりの雨が降りました。孵化した稚魚たちは無事だったのでしょうか? 発育状況の確認もかねて観察に行きました。

強風で鮮やかに染まっていた葉も落ち、一気に冬の装いです。(右の写真は前回の観察時に撮影)

水温も9℃。前回より1.5℃下がってました。


今日の観察も前回同様らくちんコースの設置地点です。豪雨から二日が経過していますが渓はかなり増水しています。

放流地点A


小さな落ち込みのヒラキに設置したA地点。
写真では左が上流、右側に白く見えるのがプランターです。

川幅が4m弱の沢なので、冬の渇水を恐れて深場を探すとこのような設置ポイントになります。


岩をどけてプランターを引き上げると半分くらい砂に埋まってます。ボックスを見ても砂が・・・ギッシリ詰まってます(悲)。
前回の観察では30〜40匹の稚魚が残っていた管理人作のボックス・・・こりゃあ全滅か!?

フタをあけると砂が9分目まで堆積してました。
稚魚の姿は見あたりません。

水の中で静かにボックスを回して砂を排出させました。
右の写真のように底が見えるまで砂を出して稚魚の死骸を探しましたが1つもありません。
穴から脱出できたのでしょうか?


予想以上の砂の流出に落胆しながら次の設置地点へ。あ、でも、次のB地点はbr#7ボックスを設置したんだけど早漏で役立たずだったから回収済み。で、C地点へ。

放流地点C

瀬尻に設置した箇所です。ここは砂底だったので岩を敷いてからプランターを埋設したんだけど・・・。


まずUさん作のボックスを手にすると、あまり砂が溜まっていません。
恐る恐るフタをあけると・・・いたっ!
25匹前後の稚魚が元気に泳いでいます。
体長は20oほどに成長し、ヨークサックも1/3程度まで小さくなっています。無事だったのね〜(喜)


Uさんのボックスは底にもドリルで穴を開けてあります。対してA地点の私の作ったボックスは底に穴がありません。砂が入った場合は底に穴がないと抜けていきませんよね。これは来年への教訓です。

そして前回うじゃうじゃ稚魚のいた、くりきさん作のボックス。
これはな〜んと全ての稚魚が外に出ています。
中に残っていたのはわずかな砂と死卵が6粒。
稚魚の発育状況を考えると少々脱出が早い気がしますが、大成功のボックスじゃないでしょうか。
ザルを組み合わせたものですが、下には目の細かいザルをインナーに重ねた二重構造。スリムになった稚魚が上部から脱出する仕組みです。


C地点で稚魚の発育を確認でき一安心しながら次の設置箇所へ。目印を頼りにD地点へ近づいてくと、プランターの脇に定位するヤマメを発見! 7寸くらいのサイズですが、まるまると太ったヤマメ・・・・・おまえさん、喰ってないだろーね?(怒)

放流地点D

ここも瀬尻に設置した箇所です。
Uさん作のボックスが2個。


両方とも砂の侵入は少なく50〜60匹の稚魚が残ってました。
稚魚を手ですくおうとすると、穴から逃げ出す個体もいます。
まだ腹がひっかかるようで、尾を小刻みに振ってすり抜けていき
ます。

体色は成魚に近づいてきましたが、パーマークはまだ現れていませんねー。


Uさんのボックスは4o穴。このくらいがちょうど良さそうです。
くりきさんのザル改ボックスは列によって穴のサイズが異なり4.5o前後。全て脱出してましたから、ちょっとだけ大きすぎかもしれませんね。
参考までに・・・既に回収済み(笑)のbr#7さんのボックスは4.8o穴でした。

放流地点E

落ち込みの脇に横たわるコンクリート片?の下に設置。
プランターを引きずり出すと砂がギッシリ・・・。


ここも私の作ったボックス・・・9分目まで砂が・・・(涙)

でも、上部の僅かな空間に稚魚が20匹ほど残ってました。
ところが、砂を除いていくと底に敷いたスノコに死骸が・・・。
可哀想に30匹ほどの稚魚が砂に埋まって死んでました(悲)


これで設置箇所の適・不適がはっきりわかりましたね。落ち込みの近くはダメだわ・・・水が出たときは砂にやられてしまいます。孵化する前の卵だったら壊滅状態だったかもしれません。

漁協の方に教えてもらったとうり、設置場所の近くで落ち葉が堆積したところには稚魚が隠れてました。

右の写真のところでは二匹を発見! でも水が光って写ってるからわかりませんね。
動きがまだまだ緩慢なので、このようなところに身を潜めているのでしょう。


観察を終えて河原で一服。
くりきさんを真似て今日はエスプレッソを煎れてみました。

いやあ〜、美味い!
体が温まるだけでなく浄化されるような気がしました(喜)


初めての発眼卵放流でしたが、孵化率は約97%。これはマズマズなのでは?

孵化してない死卵は団子のようになっていました。これは、ボックスに入れるときに取り除くことができなかった死卵と、それに接触していた発眼卵がくっついてカビてしまった状態。
検卵の精度を上げることができれば、このような事態も減らせるでしょうから、孵化率はさらに高まると思います。

ボックスの穴のサイズや設置場所も掴めたので、来年以降の放流に活かしていきたいです。


ボックスを使った発眼卵放流は渇水も増水もダメージを受けるので設置場所が一番重要ですね。
プランターを使うことで、ボックスそのものの流出は避けることは出来そうです。設置自体も楽ですし、後の観察にも有利かな。
あとはボックスのクオリティー・・・もうちょっとヨークサックが小さくなってからスルーさせたほうが、生存率は高まるでしょう。
検卵も予想以上に重要でした。それと、なんといっても放流の計画そのものと装備・・・遭難騒ぎだけはヤバイって(苦笑)
以上、いろんなことを学んだ発眼卵放流でした。



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