ヤマトの渓へ


8月10日(金)−11日(土)






北アの敗退にも懲りず、今回は「ヤマトイワナがいるらしい」という情報だけで南アの源流に突入しました。ええ、半分ヤケになってます!(喜)
ターゲットの渓は出合から取水堰まで2時間以上の歩き。そこからが釣り場らしいんだけど、お盆だからバッティングは避けられないでそ。
そこで、地図をよく見ると、峠から上流の方向に延びる林道があるじゃないの〜・・・廃道みたいだけど。
さらに、地図をよく見ると、林道の途中から源流に降りて対岸の山まで延びる登山道まであるじゃないの〜・・・廃道みたいだけど。
等高線を数えると・・・う〜ん、500mの下降かぁ・・・帰りはキツそうだなぁ・・・でも、源流にダイレクトだぞ・・・尺ヤマトがうようよ・・・うひゃひゃ。
いつものポジティブシンキングで突入決定だぁ!

秘密兵器?キャンピングカー@K海号で遠征

普通はコイツを川に横付けしてのんびり釣りするんでしょうねぇ・・・。
我々は仮眠もシートでとりました。意味ないよなぁ。はっきり言ってトラック扱いだ(喜)

相方のK海さんはフライを始めて3年目ですが、デビュー後100日以上釣りをしてるジャンキー。
そして、北ア幕営縦走や離島幕営生活を何度も経験してる幕営ジャンキーでもあります。


今回のテーマは「ライト&ファスト」
装備を軽量化して、けっこうキツそうな道程(荒廃の度合いがわからん)に挑みます。

軽量化は食事から。ドライフーズを利用するとそれだけで軽く・コンパクトになるわな。
1日目 昼食:コンビニ食 夕食:アルファ米(山菜おこわ)+インスタントみそ汁+缶詰+キムチ
2日目 朝食:ロールパン+チーズ 昼食:乾燥パスタ
軽いけど・・・わびしいメニューだなぁ。

それと、ザックのコンパクト化を邪魔するのが「渓流シューズ」ですねー。最初から履いていけるようなアプローチだったらいいんだけど、
登山道や林道を長く歩くときは履き替えないと、ね。こいつがなかなか嵩張ってパッキングしずらいんだよね〜。

オスプレー「タロン44」
目標の12sを切って約11sまで絞りました。
かなり悩んで外した装備
@レインスーツ:梅雨明け10日内で降水確率も低い。かわりにポン
チョがあるので真夏の今なら降られてもなんとかなるだろう。
Aザイル:幕営予定地周辺で沢
がいくつにも分かれてるから、危ないところは引き返して他の沢で遊ぶ。
この二つを外すのは最後まで悩みましたが、一泊山行だからなんとかなるでしょ・・・。

K海さんもタープ泊なのに・・・余裕で20sオーバー(喜) いったい何が入っているのか?


行動開始

林道は荒れまくってた

崖崩れでガードレールが波打ってます。
もっと土砂で埋まったところが何カ所もあったけど、なんとか歩けます。


足元の谷は予想以上に深い。その向こうには重量感たっぷりの南アの山脈。


最大の難所

1時間ほど歩くと・・・ものすごい崩落が・・・。
土石流が砂防堰堤を乗り越え林道に架かる橋を押し流してしまったようだ。
山側は越せない。谷側は・・・傾斜もキツいし高度感もある。なにしろこの土砂、スタンスも
きかないぞ。
ザイルがあれば支点はあるからなんとかなるのに・・・いきなり大失敗だぁ。


ここで敗退か?!

何度も弱点を探してファインディング。

残置ロープ発見

よ〜く見ると、崖の途中に埋もれた木からトラロープが垂れています。
対岸にも変なところ(支点がなかったんでしょうね)に垂れたトラロープを発見。
で、下降ロープの支点まで慎重に降りて結びをチェックすると、「ふた結び」だよ。ロープは退色してる
し、末端止めをしてないから縒りが解けてケバだってる。これに命を預けるのは怖い。
結びなおして、絶対に両手で掴まないように補助に使って、なんとか突破できました。
写真右のK海さんは最後でズリッと1mくらい滑って脂汗を吹いてました。見てるこっちもあせった〜。



反省その@ 初めて行く場所にはザイルを持とう!


空を見上げると雲ひとつない青空。まさに「梅雨明け10日」の夏空だ。


標高は1800mを越えているが、照りつけられると暑い。
ダラダラと林道を歩く身には恨めしい・・・。


2時間少々で下降点(登山道入り口)に到着。予想タイムより30分以上早かった。いいペースで歩いたもんね。

高度500mをつづら折りの道で一気に下降。

踏まれていない登山道なのでロストしそうだが、
コーナーごとに赤ペンキで目印されていた。

山屋さんのサイトで「トレッキングシューズでは歩きに
くい」と書いてあったので登山靴を履いてます。正解
でしたねー。


さて、NEWザック「タロン44」の背負い心地ですが・・・正直、イマイチです。
トップスタビライザーを引いて荷を寄せると・・・おお、なかなかいいんじゃない?!というフィット感でしたが、行動中は背中でブレました。
だから、疲れます。ショルダーやヒップベルトが脆弱だからでしょうね。そもそも10sを越す荷をパックする設計ではないんじゃないかな。

川床が見えたぞ〜

わくわくする瞬間ですねー。1時間の下降で渓に降りることができました。

白いゴーロの河原でちょっと荒れた感じの渓相だな。
さーて、幕営はどこでやるかのぉ?


降りた地点から対岸にワイヤーが張ってあった。
これは登山者が濡れずに渡るための籠が吊ってあるのだ。
乗ってみたくて楽しみにしてたのに・・・増水でグチャグチャにされた
みたい・・・流木が絡んでましたから。
登山道もこの先は崖崩れで通行止めになってるから修復されない
かもしれませんね。


フラットな河原があったので幕営地に決定。崖が3mくらい崩れてるのがちょっと心配だけど、他の場所も似たり寄ったりだから。

タープ設営

私はタープ+蚊帳(写真左)
体を横たえる幅から両側が下がり勾配。ベストポジション。

K海さんはペンタ+ムーンライトT型のネットタイプ(右)
これって・・・テントより全然重くてデカいのでは?!(喜)


さ〜て、釣りだ!!  でもね、サカナいるかわかりません(爆)  魚止滝が下にあったりして・・・(汗)

めちゃV字峡ですから、大岩がごろごろして荒れてます。
河原を見たところ最高水位は3mくらい上がりそうですね。
テン場・・・増水したらヤバイかも・・・。

この辺りで私に最初の反応が・・・良かった。サカナいたよ(喜)
すぐ上流で流れが二分したのでK海さんと分かれて私は右に。


ゴルジュ帯に突入。両岸がロックウォールで荒々しい渓相になってきました。

エメラルドグリーンに煌めく美しいポイント。

ここにサカナがついていないはずがない!
5度目のトレースで岩から影が近寄りました。
ドラグはかかってないので反転してからアワセ。

うひゃ〜、すっげーキレイな魚体だぁ〜(嬉)


ここからポツポツと釣れました。

背中は虫食い模様・斑点ナシの無斑。
ボディは青みが強く朱点は赤みがかったオレンジ。

ヤマトも水系によって特徴が違いますね。
ため息が出るほど美しい〜(喜)


コイツは一番デカかったヤツだ!

体高があってトルクのあるファイトをしてくれました。

薄い紫がかったボディですね。
縁取りのオレンジも鮮やかでした。


コイツは茶褐色のボディをしていた。飛騨で釣ったヤマトみたいだな。


同じ沢でも個体差が大きいんですねー。


久々に釣りに集中したなぁ・・・昼飯を食べる時間も惜しんでガツガツ遡行しました。

今日は暑すぎるせいか、緩い流れでエサを追うサカナが
少なかった。巻き返しが勝負ポイントでしたねー。


コイツも奥の巻き返しで出ました。


数はそこそこだったけど、美しいヤマトに大満足してちょっと早めに幕営場に戻った。
K海さんが酒を飲んでまったりしていたのでイブニングに送り出して私が火の番だ。

ダイニングスペース
(後から見ると崖の際だよ。危ないよねー。)

流木を切り揃え、薪はたっぷりだ。
熾き火も出来ているので薪をくべれば、数分で炎があがる。

食事はドライフーズで味気ないから、酒やコーヒーを飲みながら今日の釣りや過去に登った
山のことなど、たっぷりと語り合いたいなぁ・・・。


K海さんがイブニングから戻ってきた・・・なんでもないチャラ瀬からポンポン出るんで驚いてました。
夕飯は・・・私は昼食用に買ったおにぎり3個が残っているのでそれを食べ、K海さんはレトルト・・・やっぱ食事が貧相だと華やいだ
雰囲気にはならないですねぇ・・・そして・・・雲一つない空だったのに雨がパラパラと落ちてきました。

K海さんのタープの方が広いので、シェルターを畳んで二人でタープ下に潜り込みます。
夕立ですぐに止むと思っていた雨は・・・うぬぬ・・・強くなる一方で雷まで鳴り出したぞ・・・(怖)

ものすごい雷雨

昼間の遡行でこの渓の暴れっぷりを見ているだけに、ものすごく心配です。流れはあっという間に真っ茶っ茶になってるし・・・。
それと、集中豪雨で地盤が緩んでの落石が怖い。こんな状況が続いたら不安で睡眠どころではないだろう。
幸い30分ほど登ったところに避難小屋があるので、シュラフと水・携帯食を持って逃げ込むことにしました。
ここで後悔したのがレインスーツを装備から外したこと・・・まさか、「梅雨明け10日」でこんな天候になるとは・・・。


反省そのA 天気予報がどんなに良くともレインスーツは必携だ!





夜間の逃避行

川は濁っているが、水量・水勢はまだまだ渡渉には問題ない。しばらく落ち込みもないのですり足で慎重に渡れば大丈夫だ。
登山道に取りついてほっと一安心。だが、歩き始めてすぐに気づかされたが、踏まれていない道なので見失いそう・・・。
何度か獣道に引き込まれ、戻っては目印を探す、といった繰り返し。ヘッドライトを新調していなかったらヤバかったかも。
K海さんは旧タイプのLED3灯タイプを使ってましたが、足元を照らすだけでいっぱいいっぱいでした。


反省そのB 夜間の行動を想定していなくとも、高出力ヘッドライトの携行が望ましい!



1時間歩いてバテてきたころに・・・非難小屋があったぞー!!

非難小屋内部(翌朝撮影)

窓ガラスが割れているところは目張りされ、非難小屋としては上々だ。
ポンチョだと下半身はずぶ濡れだぁ。透湿素材ではないから上半身は汗でぐしょぐしょ。
幸いなことに着替えは一式持って来たので、ドライな状態でシュラフに潜ることができた。

疲労と緊張感から解放されて気絶するように眠りについた。翌日の行程はハードで睡眠を
とっておかないと辛いだろうから、小屋に逃げたのは正解だったと思います。


翌朝 6時起床

←ここで寝たのだ。
外を見ると・・・雨は止んで青空がひろがってました。

私は爆睡しましたが、着替えを持ってきてなかったK海さんは
シュラフの内部が湿気てしまい、寒くて寝れなかったそうです。


K海さん談

北ア幕営縦走するときには、真夏でも持っていく極薄長袖下着上とタイツを外しました。
新しく買った夏用の化繊シュラフがぺらぺらでびしょびしょに塗れた衣服も伴って、非難小屋の中でも寒くてろくに寝れなかったです。
これを外すべきではなかった。



反省そのC 沢には着替えを持っていこう!


夜歩いた登山道を戻る


昼間に歩いてもわかりにくいし、悪いところもあった。

夜間は何度も確認しながら慎重に歩いたから怪我もなく良かったね。


幕営場に帰還

水嵩が幕営場まで上がることはなかったようで、新たな落石の形跡もなかった。
でも、V字峡で集中豪雨に見舞われたら怖いもんねぇ・・・今後の釣行でも逃げ道を確認して幕営したいと思います。

ヒルの襲撃!

朝食の支度をしているときK海さんの足元にヒルが・・・昨晩タープ下で寝てたら顔面大流血レポに
なっていたかも(怖)

朝食はアルファ米の山菜おこわ+缶詰+インスタントみそ汁。昨晩の夕食からシフトしたメニュー。


タープが濡れているので乾くまで釣りしちゃおう。

ササ濁りで絶好のコンディション。前日より反応は
良かった〜。

90分の釣りだったが美しいヤマトが遊んでくれました。


南アルプス天然水


今日もめちゃ暑い。帰路に備えて湧き水を補充。(ここの水は柔らかくて美味かったです)


荷をまとめて、軽い昼食(ロールパン+チーズ)をとって地獄の登り(500m)へ。

『強力(ごうりき)』の異名をとるK海さんでも、この登りはペースがあがらなかったですね。


行きの下りと違ってゆっくり登るときはザックがブレることもなく、荷を軽くした効果がハッキリ出て
いつもより楽に歩けたと思います。何を持って何を外すか・・・今後の課題ですね。


下りは1時間だったが登りは2時間以上かかってしまった。

さすが鉄脚K海さん、まだまだ余裕ありそう。


ここからダラダラ登る林道歩きもキツかった。
照りつけられると体力&気力が奪われますねぇ・・・。


鉄脚もびびっていた難所

荷が重いと辛〜い悪場。フレームザックではなおさらキツいでしょう。

「北アルプスの鎖場より危ない」って言ってました。そりゃそーだ。傷んだトラロープだもん(喜)
源流釣行ってかなりタフな山行に分類されるかもしれませんねー。


行動開始から4時間はK海さんと同じペースで歩けました・・・が、徐々に遅れはじめた私。残り2qで目眩が・・・。
小休止していると、今度は空腹感が襲ってきました。思い返すと1日目は昼食抜き。2日目の今日も昼食はロールパン2個。

シャリバテです・・・(汗)


いつもはカロリーメイトや甘味類を必ず携行してますが、今回は軽量化を優先してこれらも外してしまいました。
ザックの中にはドライフーズのパスタやリゾットがありますが・・・水がない!!  K海さんはもう見えないよ〜(涙)

何か食えるモノがないかゴミ袋を漁ってみると・・・魚肉ソーセージのフィルムに付着したソーセージの薄皮が。
前歯でフィルムから削ぎ落とすように口に含むと・・・こ、これが、甘く感じるのよ〜(爆)
これで脳に「甘いモノを食べた」と信じ込ませる?ことができたようで、なんとか目眩から脱することができました。



反省そのD いかなるときも行動食は持とう!



帰還

あまりの暑さとエネルギー不足で倒れそうになりながらも、なんとか車止めに帰着。


体力的にキツいときは景色を眺める余裕なんて持てないもんですねぇ・・・。
ここに戻ってようやく南アルプスの眺望をじっくりと楽しむことができました。


遠征を振り返ってみると、二人とも「梅雨明け10日」ということで甘くみてましたねー。「森林限界内だし、なんとでもなるでそ」ってね。
装備、食料計画、幕営場所、危機管理・・・猛省したいと思いまっす。



今回の遠征から学んだ教訓


装備の軽量化の前に体重絞って体力つける!・・・もっとストイックにならんとなー。


以上





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