楽園(パラダイス)

7月3日(土)・4日(日)

イワナの群れる渓へ




公私ともに忙しい日が続いて久し振り?の釣行。コバさんの案内で新潟の渓をやりました。二人とも金曜の定時に仕事をぶっちぎり、9:00に合流。「仕事は大丈夫だった?」「いや、全然大丈夫じゃない。けど、来ちゃったもんね。もう知らーん!」・・・私は忙しい時ほど、無理してでも渓に行きたくなってしまうのである(苦笑)。
高速をひた走り、車止めに到着したのは3:00。ここで仮眠も取らずにすぐさま登山道にとりつく。なにしろ2泊のコースを1泊でツメる予定なのだ。日が昇る前の涼しい時間帯に難所を越す計画なんだけど・・・・・大丈夫かいな?

歩き始めてすぐに難所が・・・つづら折りの急坂を1時間かけて登るのだ。
(←写真は帰路で撮影)

久々の山歩き。徹夜明け。肩に食い込むザック。暗闇だから終わりも見えない。この精神的ダメージ。
登りで限界に達すると吐き気をもよおすんですねぇ・・・うう、気持ち悪い。


心臓破りの急坂をなんとかクリア。確かにここまで1時間かかった(苦)。ここで小休止をしたが、なかなか息が整わない。それどころか本当に吐きそう。あとで思い返せば今回の釣行で一番辛い瞬間だったなぁ・・・。

急坂の後は平坦な道が続く。
朝日が降り注ぐと緑が発光して、歩くことが心地よくなってくる。
最近、日本の山はどこへ行っても杉の植林だらけで、森が黒く見えるのだが、この辺りはほとんどがブナやミズナラなどの自然林で山が明るくて美しい(喜)

そして眼下には深く切れ込んだ谷が見える。その谷底に流れる渓が今回の遊び場だ。まだまだ遠いなー。


歩き始めて3時間。ようやくエントリー地点に到着。
ここでゲーターとウェーディングシューズを装着。
それまで履いていたシューズなどはここにデポした。

朝食を済ませてから、残置ロープを頼りに河原に下降。6:30。


長い廊下が楽園の入口だ。

この瀞場を漕ぐ、水は冷たい、魚が走る、光が注ぐ、小鳥が横切る、ゆっくりと流れに逆らって漕ぐ・・・どんどん渓に溶け込んでいくうちに、それまでの疲れまでが溶け出して、替わりに体内に澄んだものが拡がっていく。


すぐさま第二の難所、大高巻き。

上り下りは難しくないんだけど、横移動が実に嫌らしい。足元が柔らかく、ズリッと滑ったら30m下まで一気に落ちてしまう。ザックの上部が枝に引っかかったりするし、気の抜けない高巻きだった。


ヘツリも連続。

荷が重いからバランスとるのが大変。


計画では渓を3時間遡行してからの幕テンでしたが・・・もう歩けねぇっす(苦)
それに魚影も十分じゃないのぉ?・・・この辺りまでくると、大淵には10匹以上の魚がわらわらいるんだもの。

コバさんを説き伏せ、90分ほど遡行した河原でテントを設営。

焚き火用の流木を拾い集めてから、いよいよ釣りの支度だ。
その最中にもテン場前の淵でライズ!・・・活性は高そうだよん(喜)


テン場前のライズのヌシを一発で仕留めるコバさん。

場を荒らさないように一気に寄せると・・・28pのイワナ。
幅があり、ヒレの発達した美しい魚体。さい先いいぞ〜(喜)


渓相は落差が少なく、流速がフライむきかな。
落ち込み、曲湾部、小滝などポイントは豊富で岩も大きい。


魚は・・・大きさ、数、コンディション、全てがパーフェクト!

アベレージが8寸で9寸越えも連発(喜)


一つの淵で3匹、4匹、5匹・・・次々と良型が釣れてしまいます。過去最高レベルの釣果になりそうな勢い・・・うひゃひゃ。

ここのイワナの特徴は鮮やかなオレンジ色の体色と大きなヒレ。面構えも野性味があります。

体つきは幅もあり、引き味も抜群ですぞ。


コバさんがポイント(過去に実績のあった淵)を譲ってくれました。
数匹釣り、数匹バラシ。そして、左に目をやると小さな沢が流れ込んでいます。
そこには2m四方の小さな溜まり。8寸級が浮いています。
一投目、左へズレてすぐにピックアップ。二投目、今度は奥へ入りすぎ。と、その瞬間、宙を舞って、岩の上に落ちてから水中へ落ちた魚が・・・それを見た二人が同時に叫びました・・・「尺だ!」と。


いつアワセたのか記憶にない。体が勝手に反応したのだろう。ロッドはバットから大きく曲がって締め込みに耐えている。でも、私のヘナヘナに柔らかいロッドだと、なかなか浮いてこない。私はネットを持ってきてないので、コバさんがタモを抜いて構えてくれた。ティペットは5X。で、少々強引に抜きにかかる。浮いた!と思った瞬間、もの凄いスピードで下流へ走り、淵を一段駆け下りてしまいました。しかもエゴに潜ろうとしてる・・・ヤバイ、ここが勝負どころだ。ロッドを寝かしてエゴから魚を引きはがす。すると、再び浮き上がってきた。「は、はやくすくってくれぇ〜」もう絶叫です(苦笑)

タモに納まったのは32.5p(喜)

白っぽい魚体にオレンジ色で縁取られたヒレ。美しいです。

生涯忘れられない一匹となるでしょうね。


私は尺上に敬意を表し、ここで納竿。14:00。途中で数えるのをやめてしまいましたが、もの凄い数を釣りました。

コバさんも尺を釣るべく、大場所の巻き返しを中心に、さらに上流へ釣り上がっていきます。次々と良型をヒット! 釣りまくり・・・鬼のようです。

私が「もう勘弁してやって!」と言って止めさせなければ、100匹釣り男になってました。


空の色が消えて、闇が押し寄せてきたら焚き火だ。
渓で遊ぶ者は誰もが焚き火が大好きなのだ。

時折流木をくべると、生きているように呼吸をして、赤くなったり黒くなったりを繰り返す。それをただただ静かに眺めていると、いろんな思い出が駆けめぐってくる。様々な感情や思い出が浮かんできては燃えて、煙と一緒に一筋となり、夜空に立ちのぼって吸い込まれていく。
焚き火は体だけでなく、心の芯までもやさしく暖めてくれるのだと思う。


20:00、コバさんよりも早くシュラフに潜り込み、一瞬にして気絶!? 深〜い眠りに落ちる。




二日目

5:30に一度起きましたが、私は釣欲が湧かないのでパス。もう満たされたみたい。コバさんも「朝は毛鉤じゃ難しいかな?」と言いながら横になってしまいました・・・二人が再び目を覚ましたのは8:30。なんと12時間も寝てしまった。
朝食にフリーズドライのパスタを食べ、私は撤収を請け負います。


コバさんは1時間だけの釣り。

テン場前で今日もいきなり29p。さらに28、25pをヒットして上流へ消えて行きました。


約束の時間10:30にコバさんが戻ってきました。残念ながら尺はとれなかったけど、過去最高の釣果に大満足のようでした。彼は数週後にまた来るみたい。今度は3泊ですって(驚)・・・それでも奥までは届かないようです。人を寄せ付けない自然によって、この楽園(パラダイス)が維持されているのですねぇ・・・。

長い廊下は楽園の出口でもある。

ここを抜けて下界に戻るとき、新たな活力に満ちているのだ。
渓は私の特効薬です!  でも、車まであと何時間だぁ?・・・ひ〜(汗)







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