神奈川県水産総合研究所
1月15日(水)
内水面試験場の見学
今日は今年の初釣りとしてタチウオのジギングをやる予定だったのに、強風・波浪・低温注意報が出て中止です(泣)。そこで、かねてから訪ねてみたかった相模原の内水面試験場へ行くことに。
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試験場全景 相模原市大島の相模川沿いにありました。 想像してたよりも規模が小さかったです。 |
| 見学できる時間は平日の9:00〜16:00。予約など必要ありません。 受付で記帳して、カタログを見ながら順路を進む。といった見学方法です。 試験棟がいくつもありますが、魚の病気予防のため中へは入れません。 ガラス越しに中を覗くことはできます。 でも魚が泳ぐ様や、試験内容、設備が良く見えないのはちょっと不満。 |
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受付の脇にいきなり50ヤマメの剥製! 降湖型ヤマメ。海の代わりに丹沢湖を使って成長したらしい。さすがにド迫力。 |
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パネルにもヤマメの説明が。 「給餌方法の改良と大型親魚の選別で4〜5倍に成長するようになった。」 俗に言う3倍体でしょう。食用として需要があるのでしょうが、個人的には複雑な気持ちです。作出方法などについてはリンク先の奥多摩鱒釣紳士物語に詳しく紹介されています。 さらに、降湖型ヤマメを育成して宮ヶ瀬湖に放流する計画があるらしい。 釣り人や観光客に喜ばれる「宮ヶ瀬湖ヤマメ」だそうだ。 釣欲湧きます? |
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順路にしたがって進むと、最初に「生態試験池」がありました。 自然の川を復元する研究をしているそうです。 天然記念物のミヤコタナゴやヨシノボリ、そしてヤマメもいるらしいのですが身を隠してしまい、わかりませんでした。ソウギョだけは大きいから目立ちました。 |
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これは生物工学試験棟のアユ増殖試験。プールの中にアユがいっぱい。 その他には、遺伝育種試験棟、量産技術試験棟、希少魚保護試験室、魚類行動試験室などがありました。 その中で私が興味を持ったのは絶滅危惧種の保護・育成と、魚が登りやすい魚道の研究かな。 |
| そして最後に核心...「まだ生息しているのか?丹沢在来ヤマメ」 今日試験場を訪れた最大の目的は、丹沢に在来の地ヤマメが存在するのか確かめたかったからです。試験場のHPによると「形態的特徴とDNA分析で地ヤマメを発掘し保護していきたい」となっています。私の知識では丹沢のヤマメは全て人為的に放流されたものだと思っていたので驚きでした。先週稚魚放流に携わったこともあり、在来種が生息している可能性がある源頭部の保存や種の保護についても自分に出来ることがないか知っておきたかったのです。 |
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職員をつかまえて地ヤマメについて質問攻めです。残念ながらヤマメの担当者は不在でしたが、他の職員の方が相手をしてくれました。
結論から言うと、地ヤマメの検証はあまり進んでないようです。県政の予算不足は深刻なようで、職員の数も予算も年々減少してこの調査は棚上げされてるようです。大型に成長するバイオヤマメの育成なんかより、余程有意義な研究だと思うんだけどなあ。がっかりです。
でもこの職員は渓流釣りが好きな方だったので、在来ヤマメの重要性や発掘への意欲は持ってらっしゃいました。ぜひ調査を進めてほしいものです。
ちなみに、過去の文献や昔の人の記憶によると、丹沢の在来ヤマメは体側の測線に沿って朱点が出たそうですが不明な点も多く、断定できる特徴ではないようです。イワナは文献によると丹沢に生息していなかったことになってますが、昔の人の証言では生息してた!と正反対です。また、以前私が読んだ文献では「関東大震災で丹沢の沢は死滅し、魚が残った渓は数本のみ」となっていました。このように諸説あるなかでは、在来種を特定することはとても困難かもしれません。
ただ一つだけはっきりしたのは、源頭部の放流は在来種が残っていた場合に混ざってしまう危険性があるということです。各地で純血のヤマトイワナが激減していることからも判るように、在来種の生息を考慮する必要がありますよね。理想としては、その沢に生息する魚を種苗として養殖して放流することでしょう。
釣り人が自分たちの都合だけで源頭への放流をすることは避けるべきではないでしょうか。先週漁協の放流を手伝った後だけに、いろんなことを考えさせられた一日でした。
後日、試験場のヤマメの担当者の方から丁寧な回答を頂き、放流についてたくさんの意見交換をすることができました。下記はその中で特に印象に残った文章を抜粋したものです。
最近では、今までの「とにかく放流」に疑問符が付けられています。魚の増殖手法にしてもこれだけ放流技術に偏った国は世界でも日本だけです。他にも産卵場の造成や河畔林の造成等、魚を増やすための方法もいろいろあります。これからは、放流する目的を明確にし、「何を・どうするために・どのような増殖手段をとるべきか」皆さんで、是非、話し合ってみて下さい。
貴重なご意見ありがとうございました。
内水面試験場 神奈川県相模原市大島3657 TEL:042−763−6254